第13話

白黒つけないカフェオレ
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2025/11/03 02:49 更新
百合と昴、輝は教室へと戻っていった。

わたしを部室に置いて教室に戻るのを申し訳なさそうにしてたけど、それを見たらわたしまで申し訳なくなる。
黒須 燐
はぁ…俺ってダメダメじゃん…。
みんなに心配かけてばかりだ。
三笠 桐也
ダメダメじゃないさ。
時間というものが必要、ただそれだけの話さ。
黒須 燐
でも部長、僕みんなに迷惑かけてばっかりっす。
三笠 桐也
良いじゃないか。
俺は嬉しいよ?
みんなに迷惑かけてもらえるのが。
そういうと自分に近づく部長は、自分の机の上に座って足を組んだ。

いやあんた女子の制服着てるんだから少しはスカート気にしなさいよ。
三笠 桐也
燐は嬉しくないか?
百合くんや昴くん。俺たちに頼られたら。
その言葉を聞いて頭の中に思い描くみんな。

もし、みんなが僕みたいに苦しんでるとき、自分が居場所だと言ってもらえたら。

頼ってもらえたら。
黒須 燐
………嬉しいです。
三笠 桐也
だろ?だから心配かけてるとか、迷惑かけてるとか、そういうのは気にしなくて良い。わかったね?
村雨 雷
そうだよ、もっと迷惑かけて良いんだよ。
雷がそっとわたしに近づくと、席に座るわたしに目線を合わせるようにしゃがむ。


かわいい。
村雨 雷
俺なんか教室行こうって思うこともできないのに。
燐はすごいよ、だから俺と一緒に逃げようよ。
自分たちの心が落ち着くまでさ。
そういって雷がわたしの手をそっと握ってくれた。

自分より大きくてゴツゴツした手、でもしなやかな手。
暖かい手のひらが、胸の中に安心感を広げてくれる。
黒須 燐
ありがとう、部長、雷。
逃げることはダメな事って、
思い込んでたけど違うんだよね。
2人が優しくこちらを見てくれている。
それだけで心強いんだね。
黒須 燐
みんなで逃げると心強いんだね。
ねえ、雷。
村雨 雷
ん?なに?
雷のこてんっと首を傾げる仕草が可愛すぎて、
思わずなんか出るところだった。

危ない危ない。

わたしは、雷の長くて目元を隠す前髪を掻き分けて、しっかりと目を見つめた。









黒須 燐
一緒に逃げてくれる、共犯者になって。









村雨 雷
共犯者………。
雷の綺麗な瞳は、キラキラと星屑が煌めいているように見えた。
三笠 桐也
ふふ、良いな。共犯者。
自分の机の上から降りると、わたしと雷と視線を合わせるように、部長もしゃがみ込む。
三笠 桐也
俺も…俺たちも共犯者にしてくれ。
燐。
私たちは共犯者。

ともに逃げ、助け合う協力者。

教室に行くか、行かないか決めなくてもいい。
今はどちらかを決めるのではなく、白黒つけないで逃げればいいと、二人の目は真剣にそう告げていた。

二人がいると、心強い。

私は二人の手をそっと包むように握りしめた。















桃田 泉
やばい…入りにくい何この空気…。

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