百合と昴、輝は教室へと戻っていった。
わたしを部室に置いて教室に戻るのを申し訳なさそうにしてたけど、それを見たらわたしまで申し訳なくなる。
みんなに心配かけてばかりだ。
そういうと自分に近づく部長は、自分の机の上に座って足を組んだ。
いやあんた女子の制服着てるんだから少しはスカート気にしなさいよ。
その言葉を聞いて頭の中に思い描くみんな。
もし、みんなが僕みたいに苦しんでるとき、自分が居場所だと言ってもらえたら。
頼ってもらえたら。
雷がそっとわたしに近づくと、席に座るわたしに目線を合わせるようにしゃがむ。
かわいい。
そういって雷がわたしの手をそっと握ってくれた。
自分より大きくてゴツゴツした手、でもしなやかな手。
暖かい手のひらが、胸の中に安心感を広げてくれる。
2人が優しくこちらを見てくれている。
それだけで心強いんだね。
雷のこてんっと首を傾げる仕草が可愛すぎて、
思わずなんか出るところだった。
危ない危ない。
わたしは、雷の長くて目元を隠す前髪を掻き分けて、しっかりと目を見つめた。
雷の綺麗な瞳は、キラキラと星屑が煌めいているように見えた。
自分の机の上から降りると、わたしと雷と視線を合わせるように、部長もしゃがみ込む。
私たちは共犯者。
ともに逃げ、助け合う協力者。
教室に行くか、行かないか決めなくてもいい。
今はどちらかを決めるのではなく、白黒つけないで逃げればいいと、二人の目は真剣にそう告げていた。
二人がいると、心強い。
私は二人の手をそっと包むように握りしめた。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。