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第10話

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2025/04/13 03:56 更新
海外の文豪、マーガレット・ミッチェルの死因は交通事故である。


ただの作家である私は、文豪に並べるとは思ってないけど…


いつか、「作家あなたのペンネーム改め、あなたの名字あなたの死因は交通事故である」だなんて言われたりするのかな……?


『冬の金木犀』の実写映画を、最後まで見られなかったのは心残りだろうか……


また新しい話を考えてたんだけど、それも途中で終わっちゃうな。


佐久間さんと交わした約束も、私から破っちゃうことになるね。


せっかくまた再会できたのに……





文豪、阿部次郎はこう綴った。


「死は生の自然の継続である」と。


私にこれから訪れるのは、死ではない。


生という行為の延長線上に向かうだけだ。









だから、悲しくは無い。






























[佐久間side]


最近、あなたのペンネームさんのお陰で小説に沼った。


1番好きなのはあなたのペンネームさんの本だけど、いろんな作家さんの本を読んで、アニメと同じくらい本が好きになった。


でも『冬の金木犀』の撮影が今日で終わってしまう。


長いようで短い撮影期間だったな〜……


そうだ、今日はあなたのペンネームさん撮影見に来てくれるんだし、少しお話できるかも。






佐久間大介
ふふふ…
阿部亮平
こわ…佐久間どうした?
佐久間大介
あ、阿部ちゃん



しまった、まだここはSnow Manの楽屋だった。


俺のにやけ顔が見られてしまう。



佐久間大介
今日最後だな〜って
阿部亮平
あ〜、『冬の金木犀』?
佐久間大介
そーそー
阿部亮平
じゃあこの後俺オフだし、見に行ってもいい?
佐久間大介
いいよー!監督とマネージャーに言っとくわ!
阿部亮平
ありがとう




阿部ちゃんも見に来る〜♪


………て、参観日かよ!!笑







バタンッ!!





急に楽屋のドアが勢いよく開く。


なんだなんだと慌ててそっちを見ると、なんだか焦って息を上げているマネージャーの姿があった。




佐久間大介
え、どしたんすか……?
マネージャー
ハァ、ハァ……佐久間さん、大変ですよ……



ただならぬ雰囲気に、俺と阿部ちゃんは一度顔を合わせ、真剣な顔になってマネージャーに向き直った。



マネージャー
あなたのペンネーム先生が、意識不明の重体だそうですッ……!!
佐久間大介
……え



あなたのペンネームさんが…?


な、なんでそんなことに……


何かの間違いじゃねぇの……?





マネージャー
昨日の昼頃、編集担当の中原さんと共に事務所へ向かっている最中、信号無視した車に跳ねられたそうです…
佐久間大介
……
阿部亮平
…その中原さんは無事なんですか?
マネージャー
中原さんは意識もあり、軽い捻挫と擦り傷だそうです
阿部亮平
そうですか
阿部亮平
……佐久間、病院だ
阿部亮平
今から病院に行ってあなたのペンネーム先生と会ってきな
佐久間大介
で、でも……
マネージャー
この一件で今日の撮影は無しになりました
マネージャー
今は原作者重体の非常時なので
マネージャー
今から病院へ行くなら、僕が運転して連れていきます
阿部亮平
……お願いします
マネージャー
では急ぎましょう…!
阿部亮平
佐久間、行くぞ
佐久間大介
お、おう……!






どうか、無事でいてくれ……


約束も果たせないままサヨナラなんて、笑えねぇかんなッ……!!





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