第9話

りんご→ごはん
22
2025/04/25 08:54 更新
バンッ

あなたの下の名前「翠!」

屋上の扉を勢いよく開けると、扉の先には壁に寄りかかって座っている翠がいた。

良かった。

飛び降りようとしているわけじゃなかったんだ。

翠は私の声を聞くなり、顔を腕の中に隠してしまった。

翠「なんだ?」

翠はいつも通り私に話しかけているつもりなのだろうが、声が若干震えている。

あなたの下の名前「翠、、、」

なんで声をかければいいんだろう。

人と関わったことなんてないからわかんないや。

私は翠の真隣に座った。

翠「、、、」

あなたの下の名前「、、、」

どうしよう、何を話そう。















あなたの下の名前「しりとりする?」

翠「なんでそうなった」

あなたの下の名前「りんご」

翠「ごはん。はい終わり」

終わらせられた。

あなたの下の名前「もしかしてマジカルバナナの方が良かった?」

翠「ちげぇ」

腕の隙間から見える翠の頬には汗、、、いや、これは、、、





あなたの下の名前「泣いてるの?」

翠「泣いてねーもん」

あなたの下の名前「よしよし」

私はとりあえず翠の頭を撫でた。

翠はゆっくりと顔を上げた。

そして私の方にもたれかかる。








翠「いでっ」

まぁもたれかかれないんだけどね。

だって透明人間だもん。

翠「そっか、あなたの下の名前って透明人間だったんだ」

あなたの下の名前「忘れられてた?」

翠「うん」

私は翠を抱きしめた。

いつもなら冷たいって言われるだろうけど、今日は言われなかった。

翠「あなたの下の名前がいてくれて良かった

そう小さく呟いた翠の声は私の耳にはっきりと届いた。

あなたの下の名前「私も翠がいてくれてよかった」
















あなたの下の名前「ところでしりとりもっかいしよ」

翠「なんでだよ」

あなたの下の名前「りんご」

翠「、、、ゴリラ」

あなたの下の名前「ラップ」

翠「プ、、、プール」

あなたの下の名前「ループ」

翠「プチプラ」

あなたの下の名前「ラップ」

翠「プロ」

あなたの下の名前「ロープ」

翠「ねぇお前それウザイ」

私達は休み時間が終わるまで屋上で楽しく話していた。
































「、、、」

クラスメイトに見られているとも知らずに

プリ小説オーディオドラマ