第3話

ライバル
3,140
2018/12/24 10:25
はぁ…。
俺は重い足取りで席に着く。
目の前で2人仲良く会話する姿を見て俺はやっぱりといつものポジティブ思考が消えていた。

あなた
あなた
何かありました?
田中圭
田中圭
え?いやなんもないんだけどさぁ?
今度ね、営業先として訪れる子が何人かいるんだけど、お世話をおれとあなたでして欲しいって頼まれてさぁ
吉沢亮
吉沢亮
いや、全然何かあったじゃないすか
あなた
あなた
笑笑。それ私やりますよ?
田中圭
田中圭
え!本当?じゃあ部長に言ってくるな!
俺はルンルンしながら部長に言いに行った。
その間にあいつの本性が暴かれてるとは知らずに……


亮side

なんだよ。なんで俺じゃねぇんだよ。
毎回毎回邪魔しやがって……
あなた
あなた
営業先の人って優しい人だと良いなぁ
俺は周りを見渡し二人きりな事を確認すると
吉沢亮
吉沢亮
ねぇ?
あなた
あなた
ん?
吉沢亮
吉沢亮
なんで、あんな先輩と2人で仕事するの?
僕は?……あなた居ないと元気出ないもん。
あなた
あなた
……亮くん?なんか、キャラ変わった??苦笑
吉沢亮
吉沢亮
ねぇ?僕もその仕事やりたい……
あなた
あなた
ん〜……頼んでみる?
吉沢亮
吉沢亮
本当?!やった〜!!
俺はそのままあなたに抱きつく。
あなたは驚いていたけど、直ぐに抱き締め返してくれた。
田中圭
田中圭
お~い、部長が良いって〜
あなた
あなた
あ!あのさ?!
亮くんも一緒でもいいかな?
田中圭
田中圭
え?亮もやりたいの?
吉沢亮
吉沢亮
何?悪い?それとも…俺が邪魔ですか?

何?キャラ変わりすぎ?当たり前だろ?
あなた以外に優しく可愛くする訳ねぇだろ?特にこいつはね?
田中圭
田中圭
わ…分かったよ…言いに行ってくるよ
あなた
あなた
良かったね。でも…亮くんなんかあった?ちょっと変わってたから、、

俺はあの遅刻魔が部屋を出ていくのを見ると……
吉沢亮
吉沢亮
だって……あなたには嫌われたくないもん。あんな強く言えないよ、、
僕はあなたしか見てないから…ね?
あなた
あなた
ありがとう(笑)。
……なんかやっぱりあなたは遅刻魔が気になってるのか?
どうすればいいのか…
吉沢亮
吉沢亮
あなた……

俺はあなたを抱き締めた。
あなた
あなた
え?亮……くん?
吉沢亮
吉沢亮
僕の事男として見てくださいね?
俺はそのままあなたの顔に触れる
すると、あなたは笑みを浮かべながら、僕の頭を撫でる。そのまま仕事に戻って行った。
吉沢亮
吉沢亮
あなたに頭撫でられた……

田中side

はぁ……せっかく俺と二人きりで仕事かと思ったのに…。
俺は重い足取りで部室に戻る。
すると、そこには…亮の頭を撫でるあなたの姿。
俺はそこで立ち止まってしまった。笑いあってニヤニヤしてる亮を見ると胸が痛くなった。

そのまま俺は部室を後にして、屋上へ向かった。
田中圭
田中圭
はぁ……やっぱり無理だよな。
亮の方がイケメンだし、年齢近いし、しっかりしてるし……

俺は温かいコーヒーを持ってベンチに座る。
目の前にはそろそろ沈みそうな夕日に照らされた赤い空が広がっていた。
あなた
あなた
先輩……?
田中圭
田中圭
わぁ!?
俺は驚いてベンチから落ちてしまった。
あなた
あなた
だ……大丈夫ですか?!すみません……
田中圭
田中圭
ていうか…なんでここに?
あなた
あなた
え?あの…資料出来たのと、明日の準備をしようと先輩を呼びに来たんですが…部長室に居なかったので
田中圭
田中圭
あ……ごめんね(笑)
あなた
あなた
屋上で黄昏てたんですか?(笑)
田中圭
田中圭
まぁ?…
あなた
あなた
綺麗ですよね…
夕日を眺めるあなたはどこか悲しそうな顔をしていた。
俺は何故か彼女を抱き締めてしまっていた。
あなた
あなた
先輩……
田中圭
田中圭
ごめん……なんか悲しそうな顔をしてたから
すると、彼女はこう言った。
あなた
あなた
私……人と恋愛出来ないんです。
あなたの口から信じられない言葉が出てきて俺は……
田中圭
田中圭
ど……どういう事?
あなた
あなた
先輩……私を助けてくれますか?
あなたは俺の事を泣きそうな顔で見つめる。
田中圭
田中圭
あ……当たり前だろ??
後輩の事助けない先輩どこにいるんだよ
あなた
あなた
私には……ご主人様が居るんです。
田中圭
田中圭
ん?主人……?
あなた
あなた
彼氏でも……旦那でもない……。
誰よりも私を思っていると、断言している、血の繋がっていない兄貴です。
田中圭
田中圭
兄貴の事ご主人様って呼んでんのか?
あなた
あなた
言わないと……怒られるから…
田中圭
田中圭
要するに……愛が重い兄貴って事か?
あなた
あなた
まぁ……はい。
あなたの体は震えていた。
寒さなのか、恐怖だったのか分からないけれど
田中圭
田中圭
じゃ…じゃあどうすればいい?俺は
あなた
あなた
私の事……好きになってください!!
え?
俺は驚いて目が真ん丸になったのが自分でも分かる。



え……これって告白?

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