詳しくは、5話をご覧ください。
―俺が循環器科を辞めた理由―
2010年 8月。
俺は医師免許を取り、循環器科医になった。
新人だった俺は、
病院の仕事の多さ、ペースの早さに圧倒され、
家に帰る頃には凄くくたびれていた。
でも、大変な分、凄く勉強になることもある。
先輩たちが、目の前にある命を次々と救って、
凄くカッコいいと思った。
自分もこんな医者になろうって、決意した。
でも現実はそううまく行くわけでもなくて、
やるべき事がしっかりこなせなかった。
何回怒られただろう。何回泣いただろう。
そうこうしているうちに、俺にとって幸せな事が
起きた。
2016年 5月。
俺は院内トップの医者になった。
嬉しくて仕方がなかった。
トップになって1年、誰にもトップの座は
奪わせないぞと、浮かれていた時、
事件は起きた。
2017年 4月。
自分には弟がいる。愛しくて仕方がなかった。
そんな弟を、病が襲う。冠動脈疾患だ。
何で弟が冠動脈疾患なんかに。
弟の主治医は俺になった。
毎日弱っていく弟、毎日「痛い」「助けて」
って言ってた弟を見るのが辛かった。
裏でたくさん泣いてた。
そして、事は起こった。
冠動脈疾患の薬である、β遮断薬を
投与しすぎてしまった。
通常量の5倍。
どうやら俺は、β遮断薬と、弟が服用している、
もう一つの薬の、咳止めを間違えてしまったようだ。そのため、弟はアナフィラキシーショックを
起こし、俺も最善を尽くしたが、弟が目覚める
事はなかった。
その後たくさん泣いた。体調が悪くなるまで泣いた。何で弟が。俺があの時量を間違えてなければ。
あの時ちゃんと確認していれば弟は今でも
明るい笑顔見せて「兄ちゃん」って言ってくれてた
はずなのに。ねぇ、もう一回「お兄ちゃん」って、こっち見て言ってよ。ってずっと思ってた。
もう医療の仕事なんか出来ないと思った矢先、
一筋の光が差した。
2017年 9月。
小児科の人が俺を誘う。
今の山田だ。
―その時の会話―
可愛かったなぁ、山田の顔。
まだ入って3年で、初々しかったなぁ。
そんなこんなで俺は循環器科を辞め、
小児科医になった。
すると、山田には愉快な6人の仲間がいた。
その後、自己紹介などをした。
―その時の会話―
凄くみんな優しかった。
弟を殺したのと同等な事をした俺を
受け入れてくれた。
ここならやっていけると思った。
そして、弟の時の事があったから、
二度とこんな事を繰り返さないように、
今、とても真面目に目の前の命と
向き合うことが出来ている。
そして今に至る。
俺の循環器科時代の話はここまで。
みんな聞いてくれてありがとう。
おしまい
主からのコメント
小児科の特別編!
やっと雄也くんの過去が明らかに。
凄く辛い過去があったんですね…。
読んでくれてありがとうございます。
リクエストもお待ちしております。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。