第8話「兄弟、妹の初デート!? まさかの監視作戦!」
ある日、リビングにて。
妹がスマホを見ながらぽつりとつぶやいた。
「……明日、友達と出かけるんだ~」
兄「……友達(♂)か?」
弟「……それは、“デート”という単語に置き換えられるやつか?」
妹「ただの友達だってば!」
兄弟「“ただの”って言葉が一番信用できない!!!」
兄と弟は目を合わせ、すぐに作戦会議を開始。
兄「作戦名:監視(いや、見守り)ミッション」
弟「任務目標:妹のデート(?)を完全把握!」
兄「潜入コードネームは“優しい通行人AとB”だ!」
弟「優しい要素ゼロじゃねぇか!!」
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翌日。
妹は駅前で男子と待ち合わせしていた。
兄弟は、完璧(だと思っている)変装で尾行。
兄「俺、新聞読んでる一般人風。」
弟「俺、犬の散歩してるふり。」
兄「その犬のぬいぐるみバレバレだぞ!?」
弟「静かに!ターゲットが動いた!」
妹「(……うしろ、なんか怪しい人たちいるんだけど)」
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妹と男子はカフェへ。
兄弟は隣の席に潜入。
兄「コーヒーをひとつ。ブラックで。妹の様子を見ながら味わう。」
弟「俺、同じメニューで。妹が飲んでるのと同じラテ。」
店員「……え、どっちも“妹の”って言いました?」
兄弟「気のせいだ(真顔)」
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男子「ねぇ○○(←妹の名前)、文化祭の練習頑張ってる?」
妹「うん、まあね。ちょっと忙しいけど楽しいよ。」
その瞬間、兄弟の心の声が重なった。
兄弟(……笑ってる。……あの男の前で。)
兄「……弟、帰るぞ。」
弟「……ああ。今日の妹は楽しそうだった。」
兄「俺たちの出番は、まだ先だな。」
妹が店を出たあと、ふたりはそっと笑って背を向けた。
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家に帰ると、妹が玄関で腕を組んでいた。
「……バレてるから。」
兄弟「!?」
妹「カフェの窓に映ってたから。」
沈黙。
妹「……でも、ありがとね。ちゃんと“見守ってくれた”ってわかってるから。」
兄弟「……(涙腺崩壊)」
弟「妹が優しい……今日も尊い……!」
そしてその夜、兄弟は反省会(という名の感謝会)を開いたのだった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!