タクヤside
白い光。
静かな機械の音。
カーテン越しに差し込む朝日が、
病室を柔らかく照らしている。
ゆっくり目を開けると、
隣でハルが座っていた。
目は赤く、声が掠れている。
ハル「…タクヤくん!…おはようございます。」
「おはよう。……泣きすぎだろ。」
声は弱いけれど、確かに笑った。
ハルは笑いながらも涙を拭う。
「ずっと、怖かったんですよ。」
「まぁ俺も怖かったよ。でも……お前がはまだ知るべきじゃ無いし、無事で生きてるならその“怖さ”も悪くないな。」
タクヤがベッドの柵に肘をつき、
少しだけ体を起こす。
ハルが慌てて背中を支える。
「ありがと ありがと。」
ハル「俺は何もできてないです。」
「できてる。お前、ずっと俺の名前呼んでただろ。」
その言葉に、ハルの喉が詰まる。
思い出す――昨日こ夜、
意識が遠のく中でタクヤの手を掴み、
何度も呼びかけられていた俺の声。
「……もう一人で帰るなよ。」
ハル「タクヤくんもです。」
ふたりの間に小さな笑いが生まれる。
それは疲れた身体の奥からこぼれる、
安堵のような笑いだった。
病室の外では、
他のメンバーの声が聞こえる。
「面会いいっすかー!」「静かにしろよ!」
そのやり取りに、ふたりは同時に吹き出した。
タクヤが言う。
「ほら、みんな来る前に泣くのやめとけよ。」
ハル「……もう泣かないです。」
窓の外で、朝の光が揺れた。
カーテンの隙間から入る風が、
タクヤの白いシャツをわずかに揺らす。
ハルはその揺れを見ながら、
小さく呟いた。
「光って、こんなに優しかったんですね。」
タクヤは目を細めて笑う。
「光の中に影があるからいいんだよ。」
これからも俺はお前をずっと見てるから安心しよな。
ーー











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。