数秒間、時が止まったみたいに静かになる
その頬に添えていた手をそっと離し、
目は逸らさず返事を待つ。
優吾は少しだけ口をぱくぱくと動かしたのち、
言った、
いや、言ってくれた。
若干パニックになった心を落ち着かせ確認するが、
優吾もそのつもりでいてくれたらしい
俺って、本当に幸せな人間なんだ
そう実感し、固くなっていた表情がほころぶ。
もっと優吾へのこの拗らせてきた想いを伝えたいが、
いかんせん経験がないので何から話そうか迷っていると
優吾の方からひとつ、先に質問された。
いつから、かぁ
よく考えたことがない気がする。
いや、前にも考えたことあるのかもだけど、
結局答えには辿り着いたっけ
確かに自覚したのは、京本に言われてから。
だけど
これまで長年溜めてきたものを、優吾に溢す。
少々心配ではあるが、嫌がられてはいなさそう。
むしろ、
更に赤くなった顔を覆っていて。
俺はどうしたって、この男が好きなんだって。
すきだよ、
そう呟いて、
俺は優吾の唇に、自分のそれを重ねた。
この後俺は、優吾と寝た。
寝たっていうのはその、まぁそういう意味で。
皆さんにはそう簡単に見せてはあげないけれど。
俺の念願叶った時間なんだから。
そして25日は予定していた通りに過ごし、
帰りにふたり、公園で遊んでみた。
きっと側から見れば変な状況だったろうが、
俺は楽しかった。
しあわせだった。
これで、
俺と俺の大好きな人のお話は一旦終わり。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。