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第1話

39
2023/12/25 15:56
誰かが言ったのを覚えてる

〚世界は美しい。〛


なんとも、その頃は痛く思えたものだったけれど、今となってストンと腑に落ちた。

その子にはその年にクリスマスプレゼントとして小さな可愛らしいキーホルダーをあげたのか記憶に残っている。

「聞いてるか?おい、」

意識がはっきりし始めてゆっくりとまぶたを開ければ金髪の黒肌な彼が不機嫌そうに顔を覗き込んでいた。

「え?あぁ、お腹が空いた話?」
「違う!勝手に家にあがるなって話だ!!」

その怒鳴り声に少し眉間にシワを寄せた後にいいじゃーん、と呟けば拳が振り下ろされる。

「あでっ」

「いいわけ無いだろ、人の家だぞ…というか、なんで鍵開けれたんだ」
「ピッキング☆」
「最低だなお前犯罪者が」

違います〜とだけ言って上体を起こしてキッチンへ向かうと彼が「あっおい話を聞け」と追いかけてくる

「どうせ仕事で疲れてるんだろー?
 飯くらい作ってやんよ」

そう言うと彼は少し目を丸くした後に微笑んだ。


「お前にも優しさはあるんだな…」


その温かい言葉に立ち止まって
ゆっくり私は答えた、








「あ、材料は買ってきてな☆」











殴られました。

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