名探偵視点
殺人事件の片がついたころ、眼鏡のツルの部分からザザザという音がした。
乗客たちの話も聞きつつ、耳を澄ましていると
もしそれが事実なら、組織に俺らの生存がバレてしまう。
そうなったら…
「貴方の仲間は今、新ちゃんのところにいるでしょ?それに、盗聴器だってつけられないわよ。」母さんが言ってることが一般論だけど、
組織が一般的なことをするはずがない。
「え?」
意図的?
まさか、俺が付けた盗聴器がバレている?
俺らの把握していない人物がいるなら
作戦は崩壊する。
となれば
灰原が…
その頃…
ベルモットのいう通り
組織の仲間ーーー
慧流とあなたが会話を聞いていた。
初めて「あの子」にあった時に気付いた。
シェリーにそっくりだったから…
組織を裏切ったらしいけど、
生きていたのなら…
灰原は、煙をかき分けるようにして、車内を進んでいた。
その姿は、幼児化する前の元のすがたーー宮野志保へと、戻っている。
彼女が逃げ込んだのは、前の車両ではなく、室橋の死体がある8号車。
ゴホゴホと咳き込みながら立ち止まった灰原を、一人の男が待ち受けていた。
白煙の向こうから姿を現したのは…
バーボンが低い声で灰原に聞く。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。