今、ピアノを弾いている。もうずっとこれ(鍵盤)に触れている。うるさかったカラスがとうに鳴き終わっても。
窓の外で姿を見せていた太陽が消え部屋が真っ暗になり鍵盤が見えなくなっても、同じ音ばかりで気が狂いそうになっても。
指先や関節が痛くなっても、何時間も同じ体勢で座っているせいで身体が硬くなっても。決してこのメロディに終止符を打つことはできない。
それはどうして?誰の為?なんで自分は弾き続ける?
親の為?教室の先生の為?友達?観客?
いや、自分の音を大人たちが大袈裟に騒ぎ立てて褒めてくれる日なんてとっくの昔に終わった。どうして、なんて、そんなの自分が一番分からないから困っているのに。
楽譜はある程度頭の中に叩き込んであるから、あんなもの見なくても指は自然と動く。少しくらい部屋が暗くたって、何年連れ添ってきたか分からないピアノ相手なら目をつぶっても弾ける。
ここまで習得しておいて、特にプロを目指そうとかそんな考えもない自分は何故今日も椅子に座ってしまうんだ。
それは他の誰でもない、自分の為なのかもしれない。

ぱりねずみはピアノ弾けないんですけどね。
主人公はピアノ、好きで嫌いみたいな感じなのかな💭











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。