─── 焦るな、私。
恐らく2人には焦ってるってバレてないはず、
私は冷静。大丈夫…、
なはず…((
内心で叫びつつ、表情は崩さないよう必死に取り繕う。
カートが腕を組みながら、私を見下ろした。
空気が凍る。
酸素が薄くなったかのように、
上手く息ができずに、苦しくなる。
頭の中で言葉が渋滞する。
真面目な理由?
深い事情?
そんなもの、ない。
だって、本当に “ 出来心 ” だったから、
苦し紛れに言い訳をする。
二人が、同時に黙る。
カートがゆっくりと復唱する。
マックスが続ける。
視線を少し逸らしつつ、早口になる。
即ツッコミが飛んでくる
冷静を装っていたつもりだったが、
額に浮いた汗も、泳ぐ視線も、全部お見通しらしい。
マックスが小さくため息をつく。
カートが淡々と追撃する。
ぎくり、と指先が止まった。
気づけば、自分の髪を弄っている。
マックスが、ゆっくりと手を伸ばしてくる。
その動きは驚くほど慎重で、
まるで壊れやすい硝子細工に触れるみたいだった。
指先が、あなたの下の名前の髪に触れる。
撫でるように、優しく。
小さく笑って、マックスが言う。
その優しさが、逆に怖い。
一瞬、身じろぎすることも忘れてしまった。
言いかけた言葉は、続かなかった。
カートが、少しだけ口角を上げる。
嫌味ったらしい声音。
冗談めかしているようで、
その実、鋭く突き刺してくる。
あなたの下の名前は唇を噛んだ。
逃げ場を探すように視線が揺れる。
絞り出すように言う。
それは嘘じゃない。
後悔も、罪悪感も、確かにある。
その言葉に、
二人の表情が、ほんの僅かに変わった。
マックスの指が、髪を撫でる動きを止める。
そして次の瞬間───
ガンッ、と音を立てて、
あなたの下の名前の腕が壁に押し付けられた。
触れていない方の手で、逃げ道を塞がれる。
さっきまでの優しさとは違う、はっきりとした力。
マックスが、間近で囁く。
声は低く、どこか楽しげで。
にこり、と笑う
一瞬うちに悟った。
謝ったからといって、許されるわけじゃない。
むしろ——余計に、目をつけられただけだ。
カートが一歩近づき、逃げ場を完全に塞ぐ。
冗談みたいな口調なのに、瞳は笑っていない。
あなたの下の名前は、乾いた笑みを浮かべた。
二人は、同時に黙った。
その沈黙が、答えだった。
果たして、あなたの下の名前は奉仕活動1週間を耐え抜けぬのか__!?
また、奉仕活動終了後、無事家に帰ることができるのか__((












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。