五色「すいません、遅れました!!」
そうして開いた体育館のドアの向こう。そこには、縛られ、固定された白鳥沢バレー部がいた。
五色「え!?皆さん、大丈夫ですか!?」
五色は慌てて駆け寄り、縄をほどこうと意外に器用な手先を使って結び目をいじり始める。
五色「あ、ガムテープ…すみません、痛いかも…」
五色は謝りながら、皆のガムテープを剥がすため、位置を移動した、その時だ。
??「久し振りだな、五色」
五色「っ!」
突然、白布の頭に銃が突きつけられ、五色は動けなくなった。
五色「お前は…」
??「ハッ、お前を殺したくて仕方がねぇから、はるばるここまでやってきたんだぜ?」
他のメンバーは、知り合いなのか?という目で五色を見た。しかし、次の瞬間固まった。
五色の瞳は、いつも光を宿しているその瞳は、闇だった。
五色「なんで…先輩達をこんな目に合わせた、陽斗(はると)」
陽斗「だってお前、こうでもしないと殺せねぇもんw」
他「!!?」
五色が一体何をしたというのだ。
白鳥沢バレー部の中で、五色工という人物は、明るくて、ムードメーカーで、ちょっと泣き虫で、それでも誰よりも優しかった。
恨みを買うような人柄じゃない。
それなのに。
五色「…」
五色は、否定しなかったんだ。
陽斗「ごめんなぁ??w大事な大事な先輩達傷つけてww」
五色「………れろ………」
その時、五色が何かを言った。
陽斗「あ?」
五色「先輩達から、いますぐ、離れろ!!」
白鳥沢「(ビクッ」−五色
突然出した五色の大声に、白鳥沢バレー部は驚いた。
怒りに満ちたその顔は、今にも殴りかからんばかりだった。
陽斗「お前は、助けてくれなかったろ!!!!!!」
五色「ッ…」
しかし、次の陽斗の言葉で、五色の顔は苦しげに歪んだ。
白鳥沢(五色…?/工…?)
陽斗「いいねぇ、その顔!!苦い記憶だよねぇ!!?」
陽斗はどこまでも楽しそうに言った。五色は、ガムテープを取ろうとしてしゃがんでいたが、俯いたまま、スッ、と立ち上がった。そして、白鳥沢バレー部から離れたところに行き、しっかりと目線を合わせて問いかけた。
五色「どうすればいい、」
陽斗「簡単だよ」
陽斗はにんまりと笑っていった。
陽斗「お前が死ねばいい」
白鳥沢「!?」
五色「…」
いったい、この二人の間に何があったのか。
五色は、しばし黙っていたが、意を決したように顔をあげ、
五色「分かった」
と、自分の死を受け入れたのだった。
白布「!?んんんんんー!?(駄目に決まってんだろ!?)」
瀬見「んんん、んんんんんん!?(工、何いってんだ!?)」
川西「んんん!?(五色!?)」
天童「んんんんん!?(ツトム何言っちゃってんのー!?)」
驚いたようにガムテープごしに叫ぶ白鳥沢バレー部の声を聞きながら、五色は静かに立っていた。
その佇まいは、いつもの五色からは考えられないほど、美しく、繊細だった。
五色「…」
五色は、まっすぐに陽斗を見つめた。
陽斗はその顔をみて、苛ついたように叫んだ。
陽斗「お前のその顔がムカつくんだよ!!恐怖も何も感じてないような、そんな顔が!!!!感情なんか、お前には分かんねぇだろ!!」
そして、白布に向けていた銃口を五色に向け、
バァン!!!!
放った。
弾丸はすさまじい速さで進み、避けることなく佇んでいた五色の胸を貫いた。
血がしぶき、五色の瞳から光が失われてゆく。
ドシャ、と崩れた身体。
赤く染まった練習着。
白鳥沢「……!!!!」
五色が倒れるのが、やけに遅く見えた。
倒れる直前、五色がかすかにほほ笑んだのが見えた。申し訳なさそうに。
陽斗「約束だからな、お前らは解放するぜ」
陽斗は縄をほどいていく。ガムテープをベリッ、と、乱暴にはがすと、白布がその胸ぐらを掴み上げた。
白布「てめぇ!!!」
陽斗は人を馬鹿にしたような笑顔で白布を見た。
白鳥沢のメンバーは、五色に駆け寄ったが、息をしていなかった。
唇を噛むと、陽斗の方へきて、
瀬見「工が…何したってんだよ」
心底恨むような視線を送った。
陽斗「そこまで言うなら教えてやるよw
こいつは、お前らが思っているより、ずーっとひどい、人殺しなんだよ」
白鳥沢「は…?」−五色
白鳥沢バレー部は、心底信じられないといった顔で陽斗を睨んだ。
牛島「ふざけるな。五色は誰よりも優しかった。」
山形「そうだ、虫ですら殺すのを躊躇うほど優しいんだぞ!」
大平「そんな工が、人を殺すわけないだろう」
全員が否定する。陽斗はそんな白鳥沢バレー部を見て、また笑った。
陽斗「ずいぶん信用してるんだなw
でも、実質殺したようなもんだ。あいつが助けなかったばっかりに、あいつは死んだ。だから俺は復讐に来たんだ!!」
陽斗は叫んだ。
白鳥沢バレー部は、信じられなかった。
あり得ない。
そんなこと、あるはずがないんだ。
??「…そぅ、いう、こど、か、」
その時、白鳥沢バレー部の後ろから誰かが声を出した。
白布「……、五色……?」
そう、五色だ。撃たれた胸を押さえながら、壁づたいに歩いてくる。
五色「ッゴフ、ッ」
吐血しながら、それでも陽斗に近づく。
陽斗「っくんなぁ!!来るんじゃねぇ!!なんで生きてんだよ!!」
五色は苦しげに息をつきながら、陽斗に近づき、
ギュッ
抱きしめた。
陽斗「へぁ、?」
間の抜けた声を出した陽斗に、五色は伝える。
五色「ごめ、ん…は、ると、フゥッ、は、ぁっ、俺、が、言わなか、った、ぁ゙、はぁッ、から、」
そこまで言うと、力尽きたように、後ろへフラリと倒れた。
とっさに、川西が受け止める。
川西「五色ッ」
五色「ぐ…っゴフ、ッ、が、わにし、さ、」
陽斗「なんなんだよ、なんたなんだよぉぉぉぉぉ!!!!!!」
陽斗は駆け出した。
大平「若利!」
牛島「あぁ、行くぞ」
駆け出した陽斗を追いかけて、大平、牛島、山形が走っていく。
天童の呼んだ救急車で、五色は救急搬送された。
救急搬送された五色は、意識不明の重体で、心臓の数ミリ横を弾丸が貫いたらしく、動脈がいくつか切れて、かなり危険だった。
そのうえ、五色の血液型はかなり希少で、血液パックが足りず、白鳥沢バレー部の血液型を調べたところ、川西が一致し、川西の血を輸血することになった。
人体に影響が出ない範囲とはいえ、やはりいきなり血を採取されれば多少はふらつくもので、川西は輸血後そのまま病院の中でねてしまった。
五色は意識不明で、昏睡状態だった。
闇の中から意識が覚醒する。
重たいまぶたを開け、自分の状況を確認する。
五色「ッぁ……?痛…」
小さくうめき、動かない体の代わりに目線で周りを探る。
五色「ど、こ、」
その時だ。ガラガラ、とドアが開いた音がした。
誰か入ってくる。
白布「…!?!?五色!?」
五色「ぁ…?しら、ぶさ、?」
白布は目を見開いて驚いていたが、すぐにハッとして、走って出ていってしまった。
五色「ぁ…」
行ってしまった。しかも、何か慌てたように。
陽斗とのことだろうな、と五色は思った。
きっと、人殺しだと思われて、これから退部させられるに違いない。
しんどいなぁ、と五色は呟いた。
大好きで、尊敬していた先輩達からの目線に、耐えられるだろうか。
五色「はぁ…」
口から漏れたため息。
五色は痛む身体に鞭打って、起き上がった。
ついていた看護師にたのみこみ、、川西へのお礼と、今までの感謝をこめて、白鳥沢バレー部へ手紙をかく。
そして、そのまま、帰らしてもらった。
白布「皆さん!!」
瀬見「なんだ、白布お前工についてるっつってたじゃねぇか」
川西「どうした?」
いつも冷静な白布が息を切らして走ってきたことに驚いた白鳥沢バレー部。
白布は膝に手を当てて息をついていたが、バッ、と顔をあげ、
白布「五色が、!」
といった。
白鳥沢「!?」−五色、白布
白布「目を覚ましてて、!」
その言葉で走り出し、五色のいる病室に入った時には、病室のベッドはもぬけの殻だった。
『皆さんへ
まず、川西さん、血を分けてくれて、ありがとうございました。おかげさまで、いまもこうして生きて居られました。
そして、これは全員にです。
明後日午後7時、烏野山頂、西の滝に居ます。聞きたい方は来てください。
真相を、お話します。
自分勝手ですみません。死ぬつもりはありませんが、俺は人殺しです。非難、否定、すべて受けます。
そして、明後日、皆さんが来ようが来なかろうが、退部届を提出します。
皆さん、本当にごめんなさい。
五色工』
白布「ふざけるな…!!」
白布がぐしゃりと紙を握った。
白布「お前は、人殺しなんかじゃねぇだろ……っ!!」
五色がいたはずのベッドに拳を叩きつける。
五色は人殺しなんかじゃない。絶対に違う。そうでなければ、俺達を命懸けで守る理由がない。
陽斗を捕まえて、そう叫んだのは、先に走っていた牛島でも、足の速い山形でもなく、紛れもない白布だ。
それなのに。
白布「なんでお前までそういうんだよ……っっ!!!」
瀬見「白布、…」
瀬見もまた、同じ気持ちだった。
五色は、控えになった瀬見のトスも打ちやすくて大好きだと言ってくれた。
セッターとして出れないから、ピンチサーバーで出るためにサーブをさらにみがくと、教えて欲しいと瞳を輝かせて頼んできた。
可愛い後輩が、人殺しなんて、あるわけがない。
牛島「そうだ、五色は人殺しなどではない。」
牛島も、自分によく勝負を挑んでくる後輩をよく知っている。
負けず嫌いで、そして、絶対に今の実力で満足しない。
さらに、努力を惜しまない。強くなれる人間だ。
天童「ツトムが人殺しなんて、あるわけないのにね〜」
天童だって、同じ気持ちだ。
ゲスブロックも、素直にすごいと褒め、正直で反応が可愛いのでからかいがいがある。大事な後輩だ。
川西「安心して下さい。ここにいる全員、皆同じ気持ちです。」
大平を怖がらず、「大平さぁん!」と近づいてきては褒めて欲しいと頼んでくる、大型犬のような、可愛い後輩。
山形がケータイを何度なくしても、めんどくさがらずに一緒に探してくれる、優しい後輩。
川西が落ち込んでも、空気を読んでそっと寄り添ってくれる、温かい心の持ち主の後輩。
瀬見「ははっ、あいつ、すげー愛されてんのに、なんで気づかねぇかなぁ」
瀬見が優しく笑った。
明るくて、努力家で、人懐っこくて、誰かのために頑張れる、心優しい後輩。
そんでもって、自分より相手を優先して、自分が危険な目にあっても、絶対にくじけない、強い心の持ち主。
こんなにもいいところがあるのに、五色はそれに気づかない。
それどころか、自分の未熟なところを理解して、それを克服するための努力を惜しまない。
白鳥沢バレー部は、外へ出た。
牛島「五色はうちの大事な部員で、仲間だ。
その仲間が1人で抱えている大きなものを、後輩が1人で抱えているものを、俺たちはどうしてやるべきだ?」
そんなの、答えは決まっている。
白鳥沢「一緒に背負う!!」−五色、牛島
牛島は頷く。
牛島「五色を、いや、五色と、もう一度、バレーをしよう」
白鳥沢「オオーッス!!」−五色
待ってろ、五色。
五色は、烏野山頂上の西の滝へ向かっていた。
涼しい風が、五色の伸びた前髪を揺らす。
五色はぼんやりと歩いていた。
??「あれ?もしかして、五色くんか?」
五色「!」
振り向くとそこにいたのは、烏野のジャージを着た男。
烏野排球部と書かれている。顔に少し痣の残るあの顔は…
五色(烏野の1番、名前はたしか…)
五色「えっと、澤村さん、でしたっけ」
澤村「覚えててくれたのか!嬉しいな!」
澤村だ。レシーブがうまくて覚えている。
澤村「どうしたんだ?五色くんは確か寮住みだろう?こんな時間に外へ出たら、怒られないかい?」
五色「あ、はい、一応許可はとってます」
澤村「そうか、それは偉いな!」
澤村は五色の頭を優しく撫でた。
その優しい手つきに、五色は先輩達を思い出す。
もうあの手で撫でてもらえなくなると思うと、目頭があつくなってきた。
視界がかすむ。ポロポロと頬をつたった涙を、澤村が見て慌てる。
澤村「!すまん!嫌だったよな、」
五色「っちが、っ、う"〜っ、」
澤村「ど、どうしたんだ?」
日向とか、烏野の、自分の後輩だったらきっと抱きしめて頭を撫でてやるだろうが、五色は他校、それもこの間負かした相手の後輩だ。
さすがの澤村もどうしていいかわからなくなった。
五色は、澤村の手つきで先輩達のことや、負けても後輩のためだと、バレーをしようと来てくれていたことを思い出してさらに泣いた。
五色「っ、ひぐっ、う"う"〜、」
澤村「〜!(ギュッ」
五色「!」
ぐすぐすと泣く後輩に、澤村はついにほっとけなくなり、抱きしめた。
五色は、その安心感に声を上げて泣いた。
澤村「落ち着いたか?」
五色「はい''」
声を上げて泣いたせいで少し喉が痛いが、落ち着いた。
澤村にお礼を言うと、澤村は、困ったら烏野に来てもいいぞ!日向達も喜ぶだろうから、と言い、そのまま深く聞くことなく去っていった。
待ち合わせの時間まであと5分。
五色は走り出した。
白鳥沢バレー部は、烏野山頂上に来ていた。西の滝の前で待つと言っていた。
そこへ行くと、人影があった。
五色「こんばんは」
五色だ。
少し泣き跡があるのは見ないふりをしてやろう。
白布「真相ってなんだよ」
五色「そうですね、ではお話します。」
五色は、静かに話し出した。
事件が起きたのは、つい数年前。
小学生まで、3人は仲良しだった。
いつもどうり、五色は3人で帰っていた。
五色、陽斗、そして、夏樹(なつき)だ。
ふたりとも、五色の大事な親友だった。
よく、バレーボールを、して遊んでいた。
そして、事件は起きた。
中学も部活も同じなものの3人ともなんとなく話す時間がなく、そのうち会話が減っていき、ついに0になった。
そんなある時。
夏樹から、五色のところだけに、一通のメールが来た。
夏樹『もう死にたい』
五色「!?」
五色は急いで夏樹を探した。最期に話がしたいと言うので、言われた場所、"烏野山頂上、西の滝"へ向かった。
夏樹「もう死にたい」
五色「どうしたんだよ?お前、死ぬの、もったいねーとか、言ってたじゃんか、」
五色がきくと、夏樹ははなした。
曰く、陽斗がレギュラーになるかわり、夏樹がレギュラーから降ろされること。
それを聞いた他のレギュラー入りできない奴らが調子に乗って嫌がらせをしてくること。
夏樹「もうやだ…」
五色「っ…」
五色は考えた。
何を言っても、夏樹は意見を変えないだろう。
昔からそういうやつだ。でも、嫌いじゃない。
夏樹と陽斗、どちらも笑顔になれる方法とはなんだろう。
五色「…じゃあ、分かった。俺のせいにしなよ」
夏樹「へ?」
五色「俺に言ってきたってことは、陽斗に責任感じさせたくなかったんだろ?じゃあ、俺のせいにしたらいいよ」
五色はそう伝えた。
夏樹「でも、お前が…」
五色「最期くらい、お前の意見、尊重させろよ」
そして
五色の眼の前で
夏樹は崖から飛び降りた。
それを見届けて、五色は去った。
誤爆したフリをして、部員の1人に、
五色『夏樹をレギュラーから引きずりおろしたったw』
と、送った。
たちまち噂はひろまった。
陽斗は五色をあからさまに避けるようになった。
でも、夏樹の家族には、バレてしまった。
夏樹母「ありがとう」
夏樹父「夏樹を守ってくれてありがとうな」
夏樹姉「自分らしくいきなね」
夏樹の家族は、五色を責めることはしなかった。
むしろ、胸張って生きろと五色の背中を押した。
鷲匠監督にもバレたけど、「胸張れ」と、励ましてくれた。
それでも、夏樹を見殺しにしたのには変わらない。
だからこそ、五色はその罪を背負って、生きていくことに決めたのだ。
五色「これが、真相ですね」
五色が、淡々と語った真相は、誰も悪くなかった。
陽斗の逆恨みや、やつあたりでも、夏樹というもう亡くなった少年の恨みでもない。
五色の優しさと、心の強さゆえに思いついてしまった五色と夏樹の作戦だった。
五色「ここは、夏樹と最期に別れた場所なんですよ」
五色は淋しそうに崖下をのぞいた。
五色「夏樹と陽斗が笑顔なら、それでよかったんですけどね…」
五色は笑った。
白布「…………けんな」
もう我慢の限界だ。
五色「え?」
白布「ふざっけんな!!!!」
白布は五色の胸ぐらをつかんだ。
そこはまだ完治していない傷があるにもかかわらず。
五色「痛っ」
しかし、今回は引けない。
白布「なんでそんな大事なこと言わなかった!!俺らが、お前を、どんだけ大事にしてるか分かんねぇのかよ!!」
五色「へぁ?」
五色は驚いたように白布を見つめた。
瀬見が白布の手を離させる。
瀬見「こら、工まだ完治してないだろ。」
白布「チッ」
五色(舌打ち!?こわ!?)
瀬見が五色の頭を撫でた。
瀬見「あのな、工。俺も、皆も、工のことが大好きなんだ。だから、工が危ない目にあったら、すごく怖いんだよ」
小さな子供をさとすように。
瀬見「だからさ、工がいなくなるのは嫌だし、最後にもう一回、このメンバーでバレーしたいんだよ」
そこには、工もいなきゃだめだと、瀬見は言った。
五色はきょとんとしたままうつむく。
牛島「これからの白鳥沢には、お前も必要だ。」
天童「そうヨー?」
五色の瞳がゆらりと揺れた。
山形「な?」
大平「退部なんて、さみしいこと言わないでくれ」
五色の瞳から、ポタポタと涙があふれた。
川西が、五色の前まで行き、真顔で言った。
川西「五色は大事だよ、部員としてって言うのもあるけど…
俺はお前に輸血したから俺とお前は血が繋がっている。実質兄弟。」
白鳥沢「ブファッ!!!」−川西、牛島
大真面目な顔で言い切った川西に、白鳥沢は吹いた。
五色は涙を流しながら笑っていた。
後日。
擦れるシューズの音と、ボールが跳ねる音の絶えない体育館に、ある少年のトスを呼ぶ声がこだまする。
がっちり締められたストレートを少年はブロックに触らせることなく打ち抜いた。ラインギリギリに打たれたスパイクはin。
五色「っしゃぁぁあ!」
白鳥沢「ナイスキー!!」
白鳥沢バレー部の部室のゴミ箱には、くしゃくしゃに丸められた、退部届があった。
(終)
川西「え、俺のあの場を和ませたジョークはスルーの方向ですか??ひどくないですかちょっと、あの、もう少し触れてくれてもよかっ(強制終了)」













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。