チラッとゾムを見るとゾムが私に”何か”を投げていた。
爆弾だっ!!!!
避けようとしたがもう遅く
爆弾はもう爆発寸前だった。
ドゴォォオンッッ!!!!!!!!!
パラッ ガサ
どうやら遠くに吹き飛ばされたようだ。
木と共に飛んできてダメージがデカく
もう体力だってないに等しい。
辺りを見渡すと木々は倒れ大惨事だった。
私はバッグを握りしめる。
しゅぅぅん……………。
その音と同時に白い煙が舞う。
もう、無理…………。
??side
外交から帰って来て俺たちは森を駆け抜けていた。
すると外道丸が急に止まる。
外道丸が見てる方向を見るとそこは酷かった。
木々が倒れ荒らされていた。
俺たちはゆっくりとそこへ向かう。
思ったり現状は酷く、焦げ臭い匂いが充満している。
外道丸から下りて倒されている木を触る。
確かにこの独特な火薬の匂いはゾムの爆弾しかない。
帰ったら覚えてろよ、ゾム。
呼ばれた方を見るとマンちゃんが外道丸を
真剣な顔つきで見つめていた。
そしてその外道丸はというと…………。
動かない生き物を心配していた。
俺は急いで外道丸の元へ行った。
倒れていた毛むくじゃらは凄いボロボロで
呼吸も薄く、弱々しい。
しかも何故か少し大きめのバッグを掴んでいる様に見えた。
兎に角どんな動物であれ、早く手当てしなきゃ!
俺は狼っぽい子を抱き上げ、外道丸に乗る。
俺たちは急いで城へ向かった。
あなたside
ん……………。
パチッ
目を開けると知らない部屋にいた。
自分の身体には軽く包帯が付けられ
その上からブランケットが掛けられていた。
え?どういう事だ?確か森を出ようと……
あっ!!思い出した!幹部に吹き飛ばされて…って。
で、なんで此処にいるんだ?
立とうとするといつもの感覚と違う事に気づく。
そう、だ……。力尽きてこの姿になったんだった。
ガチャッ
………何故此処に、幹部がいるんだ。
此奴は我々国幹部の中で一番チビの
監視担当の、ロボロだ。
私に優しくそう言って出てった。
どうぴよう。マジでどうぴよぴよりん。
此処に幹部がいる事。
しかも先程、「ひとらん」と言っていた。
そいつも我々国の幹部だ。………って事は、だ。
此処は……我々国の城……………。
これはヤバイ………。かなりヤバイ状況だ。
部屋を見渡し、恐る恐る立ち上がる。
見た限りじゃあただの小さな小部屋だ。
………私のバッグは?
部屋をよく見るが私のバッグが見当たらない。
もしや取られたか?!早く回収しないともし機械の
セキュリティを破られでもして中身を見られたら……。
どうなってしまうかは大体予想はつく。
此処でうだうだしてられない。
私は狼の姿から変わろうとすると………。
ガチャッ
条件反射で部屋の端へ移動する。
そう言ったのは我々国幹部の復讐鬼、ひとらんらん。
彼は確か、畑や動物が好きだったな。
はっ…………反吐が出る。
するとひとらんらんは私に少しずつ近づいて来た。
.Next
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。