前の話
一覧へ
次の話

第35話

yes or No
14
2024/05/02 07:21
赤の99
私達女は逃げ出したりなんかせずに
子供と仲間を守る為に一生懸命に生きた
色々な街に出向いて補助を募ったり
時には体を張る仕事を引き受けた
赤の99
生きるのには辛かったけれど
同性だけってのはほんと!
いいものよねぇ
野蛮な男っていう存在がいないだけで
気を使わなくてよくなった
赤の99
配慮の無い言葉や、身体的な暴力で
悩むような子もいなくなった
すごく、すごくいい街になったのよ
…ねぇ?
赤の99は一度言葉を切り、後ろを振り返って
共感を求めた
それに、すぐさま動じた街の人達は
機械的に、その細い顎を鎖骨に届くほど素早く打ち付けた
何度も
赤の街の人々
99がいてくれたからよ
ほんとうに
赤の街の人々
そう、この街は良いところ
99のお陰で、統率も、うん、
よく、、取れてるし
赤の99
でしょう…?
赤の99は安心したように微笑む

その微笑みにまた、一斉に頷いた
青の287 お姉さん
青の287 お姉さん
そんな良い赤の街から
私達は出ていきたいんですけどねぇ
気絶させられるような物騒なとこに
いたくはないんだけども
青の287 お姉さん
青の287 お姉さん
…可哀想な街
の方があってる?
赤の99
あなたとは通じ合わないわね
私は、その可哀想な!街にいらっしゃい
と言いたかったのに…
少しでも仲間を増やしたいのよ〜
野蛮な男に立ち向かうためにね?
こらは私の理解力がないだけなのか
赤の街についての説明を受けたが、
いらっしゃいムードは感じられなかったけれど

そんなに仲間になりたいのならもっと
メリットも教えてほしいものだ

旅行会社の人は凄いのだな
お客に寄り添って、デメリットを伝えながらも
最終的にいいプランを提案してくれる

私だったら途中で客の希望をいくつか諦めてもらう気がする

この99さんも旅行会社に就職したら
もっと仲間を増やせるんじゃあないかな

まぁこのよくわからん世界に
旅行会社があればの話だが
赤の99
お嬢ちゃんはわかるでしょう?
私達がとっても困ってること!
それに嫌でしょう、あなたも
配慮のないことを言われるのは
見ればいつのまにか頬を撫でられていた
そして私の顔を覗き込みながら
共感を促してくる
赤の99
一緒にこの街で女子を強いものとしない?
私達だって1人じゃ力で勝てないけれど
頭脳を使って
男を踏み台としたくなぁい?
今ここでNoときっぱり言うのもいいかもしれないが
私の人生にとってこの世界は関係のないもの
慣れしたんだ世界に帰るためには
情報を集めるためにもyesと答えても良いのかもしれない 


帰れそうになったらこっそり出ていって
どうにか輝樹くん達と合流する

この選択はあまり大きなものではない


しかし、黙ってこの選択をyesにしたくない自分がいる
男子は配慮が無いのだろうか?

たしかに、輝樹くんには黒の街でお節介なことをされた

しかしそれを止めたのも男の一葉くん

それに母親というもっと配慮が無かった女もいた
自分の意見を押し殺してこの選択を
決めても良いのだろうか?

例え元の世界に戻るためとはいえど
帰る協力をする仲間の2人が居ながら
男を踏み台にしたいという意見を持ちたくない
鈴江佳音
鈴江佳音
…こういうときお姉さんだったら
利益と意思、どちらを取ります?




青の287 お姉さん
青の287 お姉さん
いs……さぁ??
青の287 お姉さん
青の287 お姉さん
それより、yes,NOを迷ってることが
びっくりよね
まぁ怪しいお嬢ちゃんなんだもの
常識は通用しないかしら
お姉さんは、さぁ??っと言う前に
何かを一度答えようとしていた



私の木のせいかもしれないけれど
青の287 お姉さん
青の287 お姉さん
そんなに迷うんだったら、利益の為に
あなたを仲間にしようとするこちらの人達に
聞いた……ら?!

プリ小説オーディオドラマ