第42話

第42話 🐍 新月の魔法
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2022/11/14 10:08 更新
僕は前を歩くポッターとあなたを睨みつけながら歩いていた。
パンジー・パーキンソン
パンジー・パーキンソン
ドラコ、あなた酷い顔よ。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
ほうっておいてくれ。
パンジーに指摘されたが、どうする事も出来なかった。
本当なら綺麗に着飾ったあなたと、夢のようなクリスマスを過ごすはずだった。それがあなたのダンスのパートナーがよりによってポッターなのだ。
僕はあなたの腰に手を回してピッタリとくっついて歩いているポッターを何度も後ろから蹴り倒したくなる気持ちを抑えながら歩いていた。

あなたの頬が赤く染まり、微笑みながらポッターと話している。僕は胸の中に渦巻く黒い感情がとめどなく溢れてくるのを感じていた。その時だった。あなたがつまづき、転びそうになった。それをポッターが優しく支えるのを目の当たりにして、僕の我慢は限界に近づいていた。

あなたを見る周りの反応も気になった。男も女もあなたに見惚れ、一体誰なんだと騒ぎ立てていた。
そしてダンブルドアが挨拶し、あなたを壇上に上げた。あなたはとても緊張しているようだった。

するとあなたは、大きく深呼吸をして話し始めた。
(なまえ)
あなた
私の名前は、あなた・あなたの名字です。
すると周りの生徒が囁き始めた。
スリザリン生(男子)
スリザリン生(男子)
あなたの名字?あなたの男の子の名前と同じ苗字だ。
グリフフィンドール生(男子)
グリフフィンドール生(男子)
そういえばあの子、あなたの男の子の名前にそっくりだな。
ハッフルパフ生(女子)
ハッフルパフ生(女子)
あなたの男の子の名前のきょうだいかしら?
あなたは続けて話した。
(なまえ)
あなた
私は昼間はあなたの男の子の名前・あなたの名字と名乗っています。
すると会場がとてもざわめき始めた。
スリザリン生(女子)
スリザリン生(女子)
え?あの子があなたの男の子の名前なの?
スリザリン生(男子)
スリザリン生(男子)
本当は女だったって事か?
ハッフルパフ生(男子)
ハッフルパフ生(男子)
何で今まで黙ってたんだ?
グリフィンドール生(女子)
グリフィンドール生(女子)
私たち騙されたって事なの?
周りの騒ぎはどんどん大きくなった。あなたは次の言葉を言おうとしたが、言い出せず困った顔をしていた。

僕は居ても立っても居られず、あなたの隣に駆け寄って、言った。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
あなた、歌え。
(なまえ)
あなた
え?
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
歌うんだ。
(なまえ)
あなた
でも……今夜は新月だから、歌の魔法は効かないよ。しかもこんな大勢には、相当の魔力が必要だ。
そんなの今の私には……
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
いいから歌うんだ。
僕はあなたの手をしっかりと握った。

あなたはしばらく戸惑ったように僕を見つめていたが、決心したように目を閉じると一歩前へ出た。
そして目を開き、大きく息を吸った。
〜『 闇を照らす    かすかな光   その希望を   うたにのせ  届け   未来あしたへ』〜
すると、不思議な事が起こった。
あなたの歌声が僕の身体を通り、またあなたに戻っていくような感覚だった。

そしてその歌声は今までにないくらい眩しく輝き、光の粒になって大広間の天井に舞い上がった。そしてゆっくりと舞い降りてきて、会場にいる皆の胸の中にその光が吸い込まれていった。

あなたの歌声が止み、光が消えた。辺りはしばらく静寂に包まれた。

するとダンブルドアが拍手を始めた。
それはだんだん皆に広がっていき、気が付けば会場は拍手の音で埋め尽くされていた。
あなたはその光景を見て、一筋の涙をこぼした。そして言った。
(なまえ)
あなた
今まで黙っていて、ごめんなさい。
私はこれから、あなたとして生きていきます。
会場はこれまでにないほど温かな空気に包まれ、そこにいる皆が幸福感に包まれていた。

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