僕は前を歩くポッターとあなたを睨みつけながら歩いていた。
パンジーに指摘されたが、どうする事も出来なかった。
本当なら綺麗に着飾ったあなたと、夢のようなクリスマスを過ごすはずだった。それがあなたのダンスのパートナーがよりによってポッターなのだ。
僕はあなたの腰に手を回してピッタリとくっついて歩いているポッターを何度も後ろから蹴り倒したくなる気持ちを抑えながら歩いていた。
あなたの頬が赤く染まり、微笑みながらポッターと話している。僕は胸の中に渦巻く黒い感情がとめどなく溢れてくるのを感じていた。その時だった。あなたがつまづき、転びそうになった。それをポッターが優しく支えるのを目の当たりにして、僕の我慢は限界に近づいていた。
あなたを見る周りの反応も気になった。男も女もあなたに見惚れ、一体誰なんだと騒ぎ立てていた。
そしてダンブルドアが挨拶し、あなたを壇上に上げた。あなたはとても緊張しているようだった。
するとあなたは、大きく深呼吸をして話し始めた。
すると周りの生徒が囁き始めた。
あなたは続けて話した。
すると会場がとてもざわめき始めた。
周りの騒ぎはどんどん大きくなった。あなたは次の言葉を言おうとしたが、言い出せず困った顔をしていた。
僕は居ても立っても居られず、あなたの隣に駆け寄って、言った。
僕はあなたの手をしっかりと握った。
あなたはしばらく戸惑ったように僕を見つめていたが、決心したように目を閉じると一歩前へ出た。
そして目を開き、大きく息を吸った。
〜『 闇を照らす 微かな光 その希望を 譜にのせ 届け 未来へ』〜
すると、不思議な事が起こった。
あなたの歌声が僕の身体を通り、またあなたに戻っていくような感覚だった。
そしてその歌声は今までにないくらい眩しく輝き、光の粒になって大広間の天井に舞い上がった。そしてゆっくりと舞い降りてきて、会場にいる皆の胸の中にその光が吸い込まれていった。
あなたの歌声が止み、光が消えた。辺りはしばらく静寂に包まれた。
するとダンブルドアが拍手を始めた。
それはだんだん皆に広がっていき、気が付けば会場は拍手の音で埋め尽くされていた。
あなたはその光景を見て、一筋の涙をこぼした。そして言った。
会場はこれまでにないほど温かな空気に包まれ、そこにいる皆が幸福感に包まれていた。




















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!