第35話

Episode 35
171
2025/10/22 13:00 更新




もうすぐ定期考査が始まる頃、剣城は以前に木村が登っていた木の上に1人で登っていた。


意外と登りやすく、木の上は1本1本が太いため、良い感じに居心地良く座れた。



木村良平
…あれ!そこに居たんだ
剣城あなた
…!



しばらく1人で居ると、木村が本を持ってやって来た。


剣城あなた
ここ眺めがいいのね
木村良平
だから言ったろー?
結構登ったな
剣城あなた
…まぁ、
登ってこないの?
木村良平
いいよ、俺は下で本読んでる
剣城あなた
そう…。



木村は下で木に寄りかかり、静かに本を読み始めた。





数十分そのままで居ると、声をかけた。


木村良平
剣城、いつ降りんの?
剣城あなた
まだもう少し。
木村良平
あっそう…
…つか、降りられんの?
剣城あなた
…あ、当たり前でしょ
剣城あなた
ただまだ降りる気分じゃないだけ
木村良平
ふーん




そしてもう数十分後



木村良平
剣城ー、そろそろ夕食の時間だから先に行ってるぞ?
剣城あなた
……待って…!
木村良平
…?どうした?
剣城あなた
…降り、られない、から…
木村良平
だと思った。


いつ降りようかと思っても、木登りなんて人生でこれが初めてで降り方が分からなかった。

木村良平
…ほら。
剣城あなた
は、?


木村は、剣城の真下のすぐそばで両手を広げて剣城が飛び込むのを待っていた


木村良平
絶対受け止めてやるから
剣城あなた
な、……
木村良平
早く来ねーと放置するぞー
剣城あなた
レディに向かってそれは失礼よ…?
木村良平
じゃあ早くしろよ、俺腹減った!
剣城あなた
……っ



剣城は思い切って木村の腕の中に飛び込み、木村も見事受け止めた。


木村良平
おっ…と、怪我は?
剣城あなた
…ない。どうもありがとう
木村良平
え、ちょっ……おい!!!



上手く受け止め余韻も何もなく、剣城は照れ隠しをするように顔を合わせずそそくさと歩いてしまった。


剣城あなた
早く行かないと無くなるわよ
木村良平
ほんっと、誰のおかげで助けてもらったんだよ…ずっと木の上居させときゃ良かった
剣城あなた
聞こえてるわよ








2人で夕食の準備がされている大広間に向かった。






柿原徹也
おっ、来た来た
斉藤壮馬
これ良平くんのね!
木村良平
取ってくれたのか、さんきゅー!
江口拓也
あなたはこっち
剣城あなた
ありがとう



8人全員が揃い、いただきますと言って食べ始めた。


剣城あなた
拓也は木登り得意だったわね
江口拓也
得意だけど、なに?
剣城あなた
いや
花江夏樹
??
(なんで急に話題が木登り?)
木村良平
2人で木登りしたことあんの?
江口拓也
あなたはずっと木の下で本読んでたよ
俺が上で昼寝してる時
西山宏太朗
へぇ…拓也くん寝てたら起きてーとか言うの?
剣城あなた
言うわけないでしょ
梅原裕一郎
あれ
江口拓也
雪降っても起こしてくれない時ある
柿原徹也
危うく凍死じゃん…w
江口拓也
ほんとにね?
斉藤壮馬
懐かしいな〜木登り
花江夏樹
壮馬と宏太朗はよく手切ってたねw
西山宏太朗
枝が怖いんだよなー…
梅原裕一郎
ところでどうして木登りの話?
剣城あなた
全員
……
柿原徹也
…え?
江口拓也
まさかッ………
剣城あなた
中庭の大きい木に、登って
木村良平
降りられなくなってた
江口拓也
えッッッッッッッッ……
登れたん??
剣城あなた
木くらい小さい頃から登れてたわよ!
花江夏樹
いや絶対そこじゃない
降りられなくなったの?????
木村良平
ずっと上に居て降りられなくなったから俺が助けたの
斉藤壮馬
あそういうこと…!!
西山宏太朗
人生初木登り?
剣城あなた
した
江口拓也
あなた……木登りは登るだけが木登りじゃないからな、ちゃんと降りるまでが木登りだから
江口拓也
今度ちゃんと練習しよう
剣城あなた
絶対嫌なんだけど
江口拓也
えなんで!?!?
木村良平
もう今度から登るなら箒も一緒に持って登れよ
柿原徹也
確かに、登ったら飛べるじゃん
剣城あなた
…登る気になったらね
江口拓也
箒は絶対持ってっちゃダメだろ!!!
梅原裕一郎
どんなプライドと戦ってんの?
江口拓也
木登りだけど!?
花江夏樹
ほんとなんでこんなのが飛行魔術上手いんだよ





夕食中は賑やかに食事を進め、食べ終わってもしばらく話し込んでしまっていた。



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