第5話

【第3話】彼の気持ち
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2023/12/30 14:24
千賀子は、
彼である紀伊浩二が3日間の有給休暇のあと、
恋愛のスペシャリストこと、橋田に
ある相談を持ちかけていた。

千賀子
千賀子
───それで…。紀伊さんのこと私、あまり知らないのかなって。たぶんね、
3日お休み取って私が心配したの察してしまったと思うの…。彼にはもっとこう…、
自由でいて欲しいの。
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
ふむふむ。
千賀子
千賀子
考えずきかな?
休みの前、紀伊さん、私に伝えてくれたんだけどそこで私…不安な表情してしまったの。
もう、こういう所が私の悪い癖なの…
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
ッんもーっ。
考えすぎよ〜。
寧ろ素直に出してくれたら男は助かるもんよ?それに、可愛いじゃない♡
あんたのいいところよっ!
千賀子
千賀子
そうなのかな///
でも、凄い嬉しかった。///
電話出来て。もっとこれから紀伊さんと
色んなこと出来たらなぁ…。
職場恋愛って窮屈だけど、
もっと関係を進展させるにはどうしたらいいかな?
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
プライベートで会っちゃいなさいよ!
…デートよ、デート!
千賀子
千賀子
それができるならしたい…///
お互い忙し過ぎて…。
退勤後なんて疲れちゃって、
当然紀伊さんも疲れてるみたいだし。
ふぅ…と、ため息をつく。
お互いが組織の上層なだけあり、
中々時間を捻出するのが難しいのだ。
時間シフトでもあるが為に、
都合が中々合わないのだ。
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
よぉーし。任せなさい!
あたしが思うにね…、
彼と仕事中でも積極的に接するの。
それもね、さり気な~くよ。
ふふっ、逆に燃えるわね…!
千賀子
千賀子
そうねぇ…。少しづつ近づくのもアリね。
そう言えば、彼と接する機会がなさすぎよね。
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
アタシは結構あんた、
最近頻繁に話しかけてるなって思うけど??
まあ、チラッとしか様子みれないけどサ。
…頑張ってんじゃ〜ん?
もう1段階あがんなきゃね!
千賀子
千賀子
やっぱり、そう?
追ってしまうよね。彼のこと。///
(たまに紀伊さんから視線も感じるから///)
浩二
浩二
おっ、お疲れ!
っ…あ、///
千賀子、久しぶり…!
千賀子
千賀子
…!!
あっ、お疲れ様です///
ほ、ほんと久しぶり///
紀伊は顔をやや俯かせ、
頭の後ろを掻きながら通り過ぎて行く。
よく表情は見えなかったが、明らかに気まずそうに赤らめていた。
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
ププッ!彼、完全に照れてるわね!
千賀子
千賀子
そ、そうね///
(そう言えばもう11時…紀伊さんの出勤時間。喋ってないで仕事しなきゃ。)
千賀子
千賀子
私達もほら、仕事再開しましょう。
橋田さん、ミーティングの資料お願いします。"…私、彼にもっと積極的になってみるから"
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
"応援してる!アンタならきっとすぐ進展するわ。頑張って!" 
なる早で資料手配するわ!
千賀子は心に決めた。10年仕事を共にしても
彼のことはまだ
知らないことの方が多いかもしれない。
お互いに男女として意識し始めたのは1年にも満たない。これまでは、互いにただのビジネスパートナーだった。
でも、今は違う。愛は実ったばかり。
これから関係性を築き上げ、ゆっくりと育みたいと彼女は心からそう思っている。
そして彼も。
浩二
浩二
(ぁあ…///
なんで俺、この前電話で「愛してる」なんて…。容易いこと…///
否、事実だが///いい歳して、こんなにも人を好きになるなんて思ってもいなかった。)

浩二は自席に座り、パソコンを立ち上げ、
複雑な思いを胸に抱いていた。
なんだか、恥ずかしいような、嬉しいような。禁断の社内恋愛。この先の不安も当然あった。だが、この熱い気持ちは変わらない。
彼も彼女を愛しているから。
どんな障壁が出てこようと乗り越えていけそうな気がした。
浩二
浩二
(恋愛なんて…ご法度だろうな…。それこそ、社内規則に禁止など明文化されてこそないが…。暗黙の了解ってやつか。)
…よし、資料も作成したし、そろそろミーティングに行くか。
今日は、上層部共同のミーティングだ。
参加者はオフィス主任、その他は
紀伊と千賀子、マネージャー、
加えて橋田だ。
彼にとって千賀子との顔合わせは気まずいものでもあるが、何とかやり過ごせそうだ。
浩二
浩二
(橋田…途中参加でミーティング来るのか。ふぅ。あいつ、何気にいると間が取り持つんだよな。なんとか安心だな。)
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
お待たせ!
紀伊ぶちょー、本日ミーティングの資料集めたわ。後、企画書ももう終わったわ。
応援してるわ。頑張ってネ!
浩二
浩二
ああ。ありがとう。
さすが仕事早いな。
よし、行くか。
これからミーティングが始まる。
しかし、思わぬ展開が待ち受ける…!?

後編にづつく。

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