第36話

第35話🍄🍭
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2024/04/06 11:00
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コツ…コツ…コツ…
あなた
…ん?何これ?
器にそれぞれコインが乗ってて、数字が書かれた軸に動物の書かれた時計の針みたいなものが…
えっと…シャチ?が一で…トリが二…オオカミ?が十五…
何?これ?
これは、寮ごとの金の級硬貨コイン数を表す魔法の秤だよ
あなた
…!
バッ
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
失礼、驚かしてしまったようだね
あなた
いっいえ…
びっくりした…すごく綺麗な人だけど…ローブが違うから別の寮なのかな?
線が三本もあるし…もしかしなくてもかなり強い人?
あなた
教えていただいてありがとうございます。貴方は私とは別の寮の人ですよね?どこの寮なんですか?
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
…レアン寮だ
レアン寮…!
前にマッシュにちょっかいを出てきたあの人と同じ寮だ!
けど…あの人みたいなあからさまな敵意は感じない
まぁレアン寮だからって悪い人ばかりじゃないもんね
あなた
そうなんですね!私、この学園にまだ詳しくなくて…寮のこととかさっぱり…
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
君はアドラだろう?
あなた
凄いです!よく判りましたね!
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
君のローブにアドラのロゴが入っているからね
あなた
あっ…
そうだった…確か今日、医務室から出る時



















ガチャ
あなた
『…?』
コツコツコツ
あなた
『レイン!』
レイン・エイムズ
レイン・エイムズ
『調子はどうだ?』
あなた
『うん!もうすっかり元気だよ?』
バサッ
あなた
『わわっ!?』
レイン・エイムズ
レイン・エイムズ
『アドラのロゴが入ったローブだ。今日からアドラ寮生全員に支給されている…あなたも今日からそれを着ろ』
あなた
『ありがとう、レイン!(ニコッ』
ナデナデ
レイン・エイムズ
レイン・エイムズ
『何かあったらすぐに呼べ。いいな』
あなた
『うん!』

















なんて事があって、今日からアドラ寮のロゴ入りローブを着てるのすっかり忘れてた
あなた
私、一年生で…今日初めてこのローブを着たからロゴがあるの忘れてました(苦笑
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
…そうか。僕は三年生だから君の先輩にあたるね
三年生なんだ…
どおりで大人っぽいわけだ…
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
君、最古の十三杖マスターケインの持ち主になったというあなた・エシュテンだろう?
あなた
はい!
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
聞いたよ。君も金の級硬貨コインを持っていると
なんで知ってるんだろ…
森サソリの課外授業で倒した強いサソリの分、級硬貨コインを教師の人に貰って、元々持っていた数と合わせて銀の級硬貨コインが金の級硬貨コインに変化していた
一枚だけだけど…
あなた
よくご存知ですね?
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
我々はその級硬貨コインを集めているんだ
集めてる…
あなた
…!
バッ
確か級硬貨コインは奪うことも可能だってランスくんが言ってた…
この人が本当に級硬貨コインを集めているんだとしたら
私の級硬貨コイン目当てで声をかけてきたんじゃ…
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
勘違いしないでくれ。今、君から級硬貨コインを奪うつもりは無い
あなた
今…
あなた
では、私になんの御用だったんですか?
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
君をスカウトしに来たんだ
あなた
スカウト?
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
私は優れた生徒を集め、その組織を束ねている。君のような優秀な生徒を歓迎したい
優秀って…私はそこまで魔法が上手いわけじゃないし、学園に入って日も浅いのに
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
君が居るべき場所はアドラの有象無象の周りでは無い。私たちのような高潔な者のそばだ
あなた
この人…マッシュやみんなの事を侮辱してる
グッ
否、アドラっていうだけで見下してるんだ
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
あんなもの達と共にいれば、君に悪影響だ。さぁ、僕と共に七魔牙マギア・ルプスへ…
パチンッ
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
…!
あなた
…ッ私の大切な友達を、悪くいうのはやめてください!!
キッ
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
……ハッ!
どうしよう!つい怒って叩いちゃった!
他寮の…しかも先輩を!
あなた
ごっごめんなさい!友達を悪く言われてつい…!
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
…今日のところは諦めるとしよう
あなた
あっ…あの
アベル・ウォーカー
アベル・ウォーカー
また会うことになるだろう…良い返事を期待している
コツ…コツ…コツ…
あなた
怒らせちゃった…よね
友達を侮辱する人の組織なんか入りたくないけど
あの人が根っからの悪人じゃないことは、話していて判った
あなた
争いたくはないな…
きっとあの人は、いい人だから




















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