目が覚めた。ベットから起き上がり、翔くんの部屋にこっそり入る。
そこには昨日と同じように私の設計図が机の上に置かれていた。
これが夢だったら…と思っていたが、現実だったようだ。
今日は翔くんを起こさず、部屋から出てキッチンへ向かう。
朝ごはんを作り、ひとりで食べる。翔くんの分はラップをして置いておいた。その後はすぐに学校へ向かった。
いつもより早くついたので、教室にはまだ5人くらいしかいなかったのでとても静かだ。
準備が終わり、する事が無かったので本を読んでいた。
すると、大きな声が聞こえた。
びっくりして、扉の方を見ると花耶がこちらに向かって走ってきていた。そして、私に抱きついた。
なぜか、花耶はしばらく私の顔をずっと見ていた。
私は迷った末、翔くんに優しくされると胸が痛くなったり、苦しくなったりしてしまうことを話すことにした。
何かを期待したようなキラキラした目で楽しそうに言った。
〝恋〟私には一生関係ないと思っていた単語。だから恋が何か分からない。
じゃあ、私の胸が痛いのは〝痛い〟じゃなくて〝ドキドキ〟なのかな?
ということは私は翔くんが好き?
翔くんが好きということは恋をしていると言う事?
自覚すると何だか急に恥ずかしくなってきた。
ボボボボと顔が赤くなったのが分かる。
体温も上がってきた。
花耶がニヤニヤしながらこっちを見ている。
これは完全にわかって言っている顔だ。
よく分からないが応援された。
でも、頑張ってみようと思った。
今は、くらい気持ちは無くなった。
なんなら、花耶に話してずっと気になっていたものがわかって、とてもスッキリしている。
そうか、私は翔くんが好きだったんだ。
翔くんに助けてもらった時、胸が痛いんじゃなくて、胸がドキドキしていたんだ。嬉しかったんだ。
そして、輝折は思った。
このよく分からない何かを感情と呼びたい。心と呼びたいと。
私は、もう一度翔くんとしっかり話をしようと決めた。
それで、もう好きだと言ってしまおうと思う。
ほら、善は急げって言葉があるからね。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!