ひいおばあ様の遺した言葉を頼りにここまで来た。
なんの確信もなかったけど、ひいおばあ様とひいおじい様が愛を誓っただろう庭や、愛の記録を見つけられた。
ここに来て、確かに心境の変化があった。
人を愛していいんだ、愛されてもいいんだ。
そんな風に気が付かされた。
りょうくんの腕の中でぼんやりとした視界のまま、りょうくんを見つめた。
こうして恋人という関係になれたことも、全てを受け入れてくれたことも、きっと、とても幸運な事。
僕の未来は、明るくて、暖かくて。
そんな未来に導いてくれたりょうくんに心から感謝して。
ひいおばあ様が、ここへ呼んでくれたのだと思う。
僕の未来を変える鍵がここにあると。
僕の人生、ここから。
僕の数奇な運命は、僕とりょうくんが新たに切り開いた道で繋がっていく。
-end-
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。