何かを喋っていた。
その会話の中には
「天元様」というキーワードが
入っていた為、驚く。
僕を呼ばない夜蛾先生に
憎悪を抱いた。
僕が動かないからなのに。
自分で動けば良いだけなのに。
夜蛾先生が居なくなり、
声を掛ける。
なにも聞かなかったフリをして、
近づいた。本当に、
こんな自分が大嫌いだ
悟が素っ気なくなった気がした。
俺があの夢を見てから、
(第3話参照)
避けているのを勘付かれているのかもしれない。
僕はその夜、夢に浸かった。
この先、悪夢が待っているとも
なにも知らずに。
任務から帰ってきた悟は
強くなり、任務も一人でこなすようになった。
だから病み、呪詛師になったという事だ。
家族も殺して、行方をくらませた。
僕は、何も言えなかった。
許せなかった。
悟が悲しむことをしたこと
何も言わずに関係を絶ったこと。
夜蛾先生が離れた。
俺は間髪入れずに言う。
そう言って荒々しく
俺の胸ぐらを掴んだ。
ゆっくりと僕の
胸ぐらを離した悟は
校外に向かった。
例の頼まれた子供だろうか、
僕は… 、ううん、俺は、
自室に戻りベッドに顔を埋めた。
ボーッと夕焼けを見た。
綺麗だと思えなかった。
傑は、イカれてなかった。
だが、同時に俺はイカれていると
言うようなものでもある。
それだけだと
自分に言い聞かせた。
灰原の時は泣いたが、
今回は涙がでなかった。
嫌悪感を覚える。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!