「今日はここまで。昼食の後は遅れるなよ」
午前の授業はすべて終わって、あの厭味ったらしい照も静かになった。授業中はすっかり眠っちゃってずーっと静か。先生も見慣れているのかなにも注意はしない。
たまに寝ていて使わないからって教科書を貸してくれたりする。
なんだ、にやにやして気持ち悪い奴...。
阿部ちゃんと仲いいのだろうか、帰ったら訊いてみよう。
机と机を繋げて各々用意した弁当を広げる。ここの高校は購買部もあるらしいが、今日は館さんが弁当を持たせてくれたのでそっちを頂くとしよう。
顔を少し上げて眠そうに睨んでくる。
面白そうに笑う彼はなんとも不愉快な顔だ。
おにぎりを一つ掴んで口に放り込む。塩むすび、それから唐揚げ。どれも絶品でさすがレストランで調理を任されているだけあるな館さんは。
急に立ち上がって佐久間は言う。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!