ちぐさ視点
夜。
旅館全体が静まり返る。
昨日まで賑やかだった部屋も、今はどこか寂しく感じた。
残る参加者は七人。
誰が次にいなくなるのか。
考えたくない。
そう思っても、頭から離れなかった。
いるまの部屋
一人。
静かな部屋で天井を見つめる。
みことも。
ぷりっつも。
もういない。
人狼は自分一人になってしまった。
机の上には今夜の襲撃用紙。
ペンを握る。
迷いはほとんどなかった。
ゆっくりと名前を書く。
『襲撃対象を確認しました。』
機械音声が流れた。
小さく息を吐く
すちの部屋
ベッドに座り、カードを見つめる。
昨日はあっとを守った。
結果は襲撃失敗。
つまり。
人狼はあっとを狙ってきた可能性が高い。
考える。
霊能者はもういない。
次に狙われるなら。
村を引っ張っている人。
迷いを振り切るように頷いた
『護衛対象を確認しました。』
地下監視室
LANは何も言わず、モニターを見つめていた。
すると。
まぜ太がLANの隣へ移動する。
LANは少しだけ笑った
意味深な返事。
まぜ太は首を傾げるだけだった。
翌朝
コンコン。
いつものノック。
机の上には紙。
『大広間へ集合してください』
深呼吸して部屋を出る。
廊下にはあっきぃがいた。
二人で広間へ向かう。
すると。
全員が集まっていた。
誰も欠けていない。
静かな空気。
その時。
スピーカーから機械音声が流れた。
『昨夜、人狼による襲撃が発生しました。』
全員が息を呑む。
『しかし、襲撃は失敗しました。』
ざわっ。
広間が大きく揺れる。
あっとは静かに目を閉じる。
何も言わなかった。
だが。
その表情からは、何かを確信したようにも見えた。
地下監視室
LANはモニター越しに、広間の様子を見つめる。
そして小さく呟いた。
広間
『会議を開始します。』
機械音声が響く。
あっとがゆっくり立ち上がった。
広間の空気が一気に変わる
いるまは静かに拳を握り締めた。
この結果次第で。
ゲームはさらに大きく動き出そうとしていた――。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。