第2話

# 1
107
2026/02/22 12:00 更新
次の日。


教室に入った瞬間、視線が集まる。


理由はわかってる。


私じゃない。


ーー彼。


山中柔太朗。
窓際の席で頬杖をついて、ぼんやり外を見てる。


朝の光が当たって、無駄に絵になる。


女子たちは相変わらず騒がしい。
「昨日廊下で話してたよね?」

「え、仲良いの?」
違う、全然。


私は無言で席に座る。


するとすぐ。
‎🤍
おはよ
近い
あなた
……おはよう
教科書を出しながら、目は合わせない。
‎🤍
今日も冷たいね
少し笑ってる声。
あなた
通常運転
‎🤍
俺だけ?
あなた
全員に
即答
そのはずなのにーー


彼は、なぜか嬉しそうに目を細めた。
‎🤍
そっか
意味わかんない。
三限目、体育。


ペアは自由に組めと言われて、周りは一瞬で固まる。


私は余るのが楽だから、少し離れて立っていた。


すると
‎🤍
じゃ、俺ここ
当たり前みたいに隣に立つ。
あなた
……他にいるでしょ
‎🤍
いない
いる、山ほどいる。


女子たちの視線が痛い。


でも彼は気にしない。


むしろ楽しんでるみたいに、
‎🤍
ちゃんと走ってね。俺、手抜く人嫌い
あなた
そっちこそ
挑発みたいな会話


リレーが始まる。


私がバトンを渡す瞬間ーー


彼の手が、思ったよりしっかり掴んだ。


一瞬だけ、指が絡む。


心臓がうるさい。


なのに
‎🤍
遅い
平然と一言。
あなた
は?
‎🤍
もっと本気出せるでしょ
ムカつく。


なのに、その目が楽しそうで。

放課後。


今度はクラスの男子が話しかけてきた。


「昨日のプリントさーー」


普通に話してただけ。


なのに


視線の端に、彼。


壁に寄りかかって、じっとこっち見てる。


笑ってない。


ただ、静かに。


男子が去ったあと。
‎🤍
楽しそうだったね
あなた
普通
‎🤍
ふーん
近づく。


逃げる暇ない距離。
‎🤍
俺と話すときより、ちょっと笑ってた
あなた
気のせい
‎🤍
気のせいじゃない
声が低い。


初めて、余裕がない。
‎🤍
俺にはそんな顔しないの?
ーードクン。
あなた
……する理由ない
わざと冷たく。


本当は、動揺してるのバレたくなくて。


少し沈黙。


それから、彼は小さく笑った。
‎🤍
やっぱりさ
一歩、距離を詰める。
‎🤍
俺のこと、意識してるよね?
あなた
してない
即答。


でも目を逸らした。


その瞬間。


彼の指が、私の顎に触れた。
‎🤍
じゃあ、こっち見て言って
ずるい


近すぎる
あなた
……
言えない。


すると彼は、満足そうに目を細めた。
‎🤍
やっぱり
小さく、でもはっきり。
‎🤍
俺の勝ち
ーー勝ちってなに。


冷たくしてるはずなのに。


なんで、追いかけられてるのは私なのに。


追い詰められてるの、私なんだろう。

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