次の日。
教室に入った瞬間、視線が集まる。
理由はわかってる。
私じゃない。
ーー彼。
山中柔太朗。
窓際の席で頬杖をついて、ぼんやり外を見てる。
朝の光が当たって、無駄に絵になる。
女子たちは相変わらず騒がしい。
「昨日廊下で話してたよね?」
「え、仲良いの?」
違う、全然。
私は無言で席に座る。
するとすぐ。
近い
教科書を出しながら、目は合わせない。
少し笑ってる声。
即答
そのはずなのにーー
彼は、なぜか嬉しそうに目を細めた。
意味わかんない。
三限目、体育。
ペアは自由に組めと言われて、周りは一瞬で固まる。
私は余るのが楽だから、少し離れて立っていた。
すると
当たり前みたいに隣に立つ。
いる、山ほどいる。
女子たちの視線が痛い。
でも彼は気にしない。
むしろ楽しんでるみたいに、
挑発みたいな会話
リレーが始まる。
私がバトンを渡す瞬間ーー
彼の手が、思ったよりしっかり掴んだ。
一瞬だけ、指が絡む。
心臓がうるさい。
なのに
平然と一言。
ムカつく。
なのに、その目が楽しそうで。
放課後。
今度はクラスの男子が話しかけてきた。
「昨日のプリントさーー」
普通に話してただけ。
なのに
視線の端に、彼。
壁に寄りかかって、じっとこっち見てる。
笑ってない。
ただ、静かに。
男子が去ったあと。
近づく。
逃げる暇ない距離。
声が低い。
初めて、余裕がない。
ーードクン。
わざと冷たく。
本当は、動揺してるのバレたくなくて。
少し沈黙。
それから、彼は小さく笑った。
一歩、距離を詰める。
即答。
でも目を逸らした。
その瞬間。
彼の指が、私の顎に触れた。
ずるい
近すぎる
言えない。
すると彼は、満足そうに目を細めた。
小さく、でもはっきり。
ーー勝ちってなに。
冷たくしてるはずなのに。
なんで、追いかけられてるのは私なのに。
追い詰められてるの、私なんだろう。
誰か
小説コンテスト
参加してほしいです……💞












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。