第10話

10話
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2024/12/01 10:44 更新
私は今、人に埋もれている。
通勤ラッシュの満員電車の様な人混みで、窒息状態に陥っている。
私は死を錯覚した。
アナウンサー
No. 1ヒーロー オールマイトが教壇に立っている姿を教えてください!
あなた
あ、あゎゎゎゎ
アナウンサー
オールマイトが授業をしている姿を教えて!
あなた
ぅぅわゎゎ
カメラを向けてコメントをくれと頼まれているからである。
それに加えて多くのカメラマンとアナウンサーがいる為、酸素が薄いのだ。
そんな状態で喋れと言われても怖くて仕方がない。
アナウンサー
一言でもいいので!
あなた
ほんとですかッッ!!?!!
一言言ったらこの地獄を抜け出せる、と思い、私は息を大きく吸い込む。
あなた
く、くく、訓練を行う私たちに、てて、的確なアドバイスとか
あなた
わわ、私たちにちゃんと向き合ってくれてる、的な…かかか、感じデス
アナウンサー
ありがとうございます!
少し喋りすぎた、と思い、急いでその場を駆け抜ける。
後になってから緊張感がきて、鼓動が速くなる。
あなた
ゎおっ
周りを気にしず歩いていた為、誰かにぶつかってしまった。
謝ろうと前を向こうとすると、そこには轟サンがいた。
あなた
(イヤアアアァ!!!)
轟焦凍
涙彩…だったか
轟焦凍
前向いて歩けよ
轟サンは怒るわけでもなく、それだけ言い残して歩いていった。
あなた
すす、すみません!!
あなた
ありがとうございます!!
戦闘訓練の時と同じ様に、瞳には冷たい怒りがこもっていた。
それは私に向けた怒りではないと、意味もわからず思う。
怖くはあるが、本人はそういうつもりがないのかもしれない。
私は弱めに頬を叩いて、また歩き始める。
叩いた頬は少し痛みが残っているものの、気を逸らすには十分だった。
あなた
あ、爆豪サ、爆豪くん…!
爆豪くんはくるりと振り返って少し目を見開く。
走って追いかけ、私は爆豪くんの少し後ろあたりで止まり、歩き始める。
あなた
おはようございます…!
爆豪勝己
…はよ
前を向いたまま挨拶を短く返してくれるのはやっぱり優しいなと思う。
あなた
きの
あなた
…あ
昨日の訓練の話をしようと思い言いかけたが、言葉にするのを諦める。
訓練の後、爆豪くんはあまりいい顔はしていなかった。
ここあたりの道で少し泣いていた様だし、思い出させるのはやめておいた方がいい。
そう思ってやめたのは私なりの気遣いである。
あなた
記者の人に、ホラ、囲まれたじゃないですか
爆豪くんはただ無言で振り向きもせず歩く。
その耳に私の声が届いているかはわからないが。
あなた
爆豪くんキレ散らかしてそうですよね
爆豪勝己
なんだとコラァ!!
爆豪勝己
キレてねぇわ!!
爆豪くんは目尻を九十度近くまで上げて、掌の汗でパチパチと火を起こす。
私は燃やされると思い、必死に校舎内までに走ろうとしたが、すぐに追いつかれた。
あなた
命だけは許してくださいっ!!!!
爆豪勝己
俺のことなんだと思ってんだ!!
肩を掴まれて、私が走ろうとするも、それも阻止される。
あの時と同じように、また指で額を弾かれた。
あなた
爆豪くんって私にだけ優しくないですか?
爆豪勝己
ア?
あなた
自意識過剰みたいですけど、独り占めみたいですね
私は目を閉じて笑ってみせる。
すると爆豪くんは私を通り過ぎていき、私の足を蹴った。
あなた
ぜ、前言撤回です!!悪魔です!!
爆豪勝己
顔面に火ィ散らしてやろうかテメェ
あなた
ヒィィ!!
私たちはなんだかんだ一緒に教室に向かうと、教室の扉を開けた。
爆豪くんとは少しばかり離れた席に座って、頬杖をつく。
そういえば昨日の授業の内容が全く理解できていなかったと思い、ノートを開く。
意味のわからない記号が出てきて、数字がたくさんあって。
見るだけでも泡を吹いて気絶してしまいそうだ。
八百万百
あの…もしよろしかったらお教えいたしましょうか…?
あなた
エッ!??!!
前の席に座っていた八百万サンが私の方に振り返る。
突然だったため驚いてしまい、間抜けな声を出す。
恥ずかしくなって両手で口を押さえると、八百万サンが上品に笑う。
八百万百
涙彩さんは面白い方ですね
あなた
そ、そそそ、そうですカっ!!?
私は今日もいつも通り初対面の人に挙動不審になっている。
もう面白くなってきてしまって、八百万サンと一緒に笑う。
あなた
なななな、生意気でゴメンナサイ!!
あなた
や、やや、ヤオモモちゃんって呼ばせてもらってもいいデスか?!!
八百万百
喜んで!
少し頬を赤めて微笑むヤオモモちゃんから後光が差しているように見えて目を細める。
八百万百
それでは少しばかりですが教えさせていただきますね
あなた
お、お願いシマス!!
それからチャイムがなるまでプチ勉強会は続き、どんどんわからなかったところが解る。
それはまるで魔法みたいで、ヤオモモちゃんに感謝でしかない。
そしてついにチャイムが鳴り、プチ勉強会は終わりを告げた。
ノートには求め方やそれぞれの記号の意味などが丁寧にメモされている。
するとドアがガラガラと音を立ててゆっくりと開いた。
その瞬間A組のみんなは一斉に席につき、沈黙が流れる。
相澤消太
昨日の戦闘訓練お疲れ
相澤消太
Vと成績見させてもらった
1–A
!!
みんなの表情かおには少し驚きが現れたものの、またいつもの表情かおに戻る。
相澤消太
爆豪
相澤消太
おまえもうガキみてえなマネするな
相澤消太
能力あるんだから
爆豪勝己
………わかってる
声色からしてあまり気分はよくなさそうだ。
私は落ち込んでいる人に変なテンションで絡みに行ってしまった…!!
自分の失態に気づき、少し俯く。
相澤消太
で 緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か
緑谷サンの方が大きく震える。
私は緑谷サンが個性把握テストの時にかなり厳しめに叱られていたことを思い出した。
相澤消太
“個性“の制御…
相澤消太
いつまでも「できないから仕方ない」じゃ通させねえぞ
消しゴム頭サン…先生の目からは静かな怒りが伝わる。
相澤消太
俺は同じ事言うのが嫌いだ
相澤消太
それさえ  ・    ・  ・    ・クリアすればやれることは多い
相澤消太
焦れよ緑谷
緑谷出久
っはい!
少し大きめの返事をすると、先生の目からは怒りが消える。
相澤消太
さてHRホームルームの本題だ…
相澤消太
急で悪いが今日は君らに…
1–A
!!
1–A
(何だ…!?また臨時テスト!?)
あなた
(それだけは嫌です!!!!)
相澤消太
学級委員を決めてもらう
1–A
学校っぽいの来たー!!
教室の雰囲気は一気に明るくなると共に、賑やかになった。
立候補するようなガラではないが、どうする私ー!!

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