第30話

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2026/02/02 14:18 更新
   ありさかと人一人分の距離を空けて椅子に座る。

買ったサイダーをひりひりと痛む目に当てれば、
心地良い冷たさが目の奥に染みて。
ありさかも、同じように上を向いていた。


.
   ……………… 、 
arsk
   …………… なんだよ、 


   半目でじとっと睨まれて、思わずペットボトルを
握り潰しそうになる。
だけど、目も鼻も真っ赤にしたありさかに反論
しようとはならなくて。

さっきの言葉が、頭を過ぎったから。


.
   …… はぁぁ ………   
arsk
   、?   



.
   …… すまん、言い過ぎた   


   素直に謝れば、ありさかは少しだけ目を見開く。

ただ質問してきただけなのに勝手に決めつけて、
… 俺も俺で気が動転してた。
バニラを信じたい気持ちは俺にももちろんあって、
だけど少しでも疑ってしまった自分にむかついて。

当たっちゃいけない人に八つ当たりしてしまった、
…… そりゃ苛つくよな、バニラにも。


.
   無神経すぎたわ … 悪かった、 
arsk
   …… ん、や … っすぅ、俺も … ごめん   
マジで意味分からん八つ当たりした、
.
   ん …… ッはぁぁぁ ……   
頭おかしくなってたな俺ら、笑


   今はとりあえず、バニラの話を聞いてみないと。
流石に身内以外が救急車に乗ることは出来ないから、
一旦帰ってもらっちゃったけど。

電話でもしてみるか … なんてスマホを取り出した
瞬間、


vnl
   ─────── なるせさん、 
.
   ッえ、  


   いつもよりも低い声で俺の名前を呼んだバニラと、


**
   …… バニラがいつもお世話になってます、  


   …… だるまそっくりな女性が、そこに立っていた 。


.
   …… ば、に … ?  



   嫌な予感しか、しない。




.
   ………… ん、 


   ふとなんの前触れもなく目が覚める。

少しの頭痛と体のだるさに違和感を感じながら
むくりと起き上がると、目の前に広がる部屋は
見覚えのない場所だった。


.
   … 、?   
.
   あ、おはようございます   
起きられたんですね
.
   え、?あ、うっ、す …   


   まだ意識がぽわぽわする中、腕に繋がれた点滴を見て
眠気が吹っ飛ぶ。

…… ん、ま、って 、??


.
   え゛っ、待っ、てください、え …   
.
   俺 …   


   妙にすっきりした頭を抑える、ちょっと待て …
何があったんだ、俺 … ?

ふと手が痙攣していることに気が付く、
汗も凄くて、体が思うように動かなくて … 。


.
   … 何があったか覚えてます 、?   


   看護師さんが顔を覗き込んで、そう尋ねてくる。

考えて見るけどやっぱり分からなくて、首を横に振る。
数秒黙り込んだ後になにか裏があるような笑顔をした
看護師さんは、『 少し待っててくださいね 』なんて
言って病室を出ていく。

なにか嫌な予感がしながらも、その背中を見送って。

数秒後に、ドアの奥から走る音が近付いてくるのが
分かった。


.
   …… ?   









arsk
   ________ だるま !!   
.
   えッ、うおぉっ !?!?   


   スライディングをするように部屋の中に滑り込んだ
ありさかが、勢い良く抱き着いてきて重みがかかる。


.
   どっ、なんッ … !? //   
arsk
   ッはぁぁぁぁぁ゛………    
良かった …
.
   、、!?   


   震えた声を出すありさかに目を見開く、
なんで急に泣き出したんだこいつ !!

取り敢えず背中に手を回して優しくさすれば、
ありさかは強く俺を抱き締める。
すると、また病室に誰かが入ってきた音がして。

… またまた泣きそうな顔をした、なるせだった。


nrs
   ……… っっだるまぁぁぁ !!   
.
   ちょッ゛…… !!!   


   なに急にデレてきてるんだ … ??

よくわからないまま二人の背中に手を回す。

すると、窓の隙間から風が強く吹いてカーテンを
揺らした。
冷たい空気が肺を刺激して痛い。




________ 綺麗な白髪が、視界の端に映る。

蜂蜜のような透き通る黄金色の瞳が、大きく揺れる。

音もなく静かに足を踏み入れたその人は、


.
   … っ、?  


   何故か、既視感があった。
   私立入試終わりました、、!!次は面接だ泣

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