ありさかと人一人分の距離を空けて椅子に座る。
買ったサイダーをひりひりと痛む目に当てれば、
心地良い冷たさが目の奥に染みて。
ありさかも、同じように上を向いていた。
半目でじとっと睨まれて、思わずペットボトルを
握り潰しそうになる。
だけど、目も鼻も真っ赤にしたありさかに反論
しようとはならなくて。
さっきの言葉が、頭を過ぎったから。
素直に謝れば、ありさかは少しだけ目を見開く。
ただ質問してきただけなのに勝手に決めつけて、
… 俺も俺で気が動転してた。
バニラを信じたい気持ちは俺にももちろんあって、
だけど少しでも疑ってしまった自分にむかついて。
当たっちゃいけない人に八つ当たりしてしまった、
…… そりゃ苛つくよな、バニラにも。
今はとりあえず、バニラの話を聞いてみないと。
流石に身内以外が救急車に乗ることは出来ないから、
一旦帰ってもらっちゃったけど。
電話でもしてみるか … なんてスマホを取り出した
瞬間、
いつもよりも低い声で俺の名前を呼んだバニラと、
…… だるまそっくりな女性が、そこに立っていた 。
嫌な予感しか、しない。
ふとなんの前触れもなく目が覚める。
少しの頭痛と体のだるさに違和感を感じながら
むくりと起き上がると、目の前に広がる部屋は
見覚えのない場所だった。
まだ意識がぽわぽわする中、腕に繋がれた点滴を見て
眠気が吹っ飛ぶ。
…… ん、ま、って 、??
妙にすっきりした頭を抑える、ちょっと待て …
何があったんだ、俺 … ?
ふと手が痙攣していることに気が付く、
汗も凄くて、体が思うように動かなくて … 。
看護師さんが顔を覗き込んで、そう尋ねてくる。
考えて見るけどやっぱり分からなくて、首を横に振る。
数秒黙り込んだ後になにか裏があるような笑顔をした
看護師さんは、『 少し待っててくださいね 』なんて
言って病室を出ていく。
なにか嫌な予感がしながらも、その背中を見送って。
数秒後に、ドアの奥から走る音が近付いてくるのが
分かった。
スライディングをするように部屋の中に滑り込んだ
ありさかが、勢い良く抱き着いてきて重みがかかる。
震えた声を出すありさかに目を見開く、
なんで急に泣き出したんだこいつ !!
取り敢えず背中に手を回して優しくさすれば、
ありさかは強く俺を抱き締める。
すると、また病室に誰かが入ってきた音がして。
… またまた泣きそうな顔をした、なるせだった。
なに急にデレてきてるんだ … ??
よくわからないまま二人の背中に手を回す。
すると、窓の隙間から風が強く吹いてカーテンを
揺らした。
冷たい空気が肺を刺激して痛い。
________ 綺麗な白髪が、視界の端に映る。
蜂蜜のような透き通る黄金色の瞳が、大きく揺れる。
音もなく静かに足を踏み入れたその人は、
何故か、既視感があった。
私立入試終わりました、、!!次は面接だ泣











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。