第25話

25話
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2023/02/04 14:07 更新
(なまえ)
あなた
うんま!
テストも無事終わり、待ちに待った自由時間。
俺は、初めてデートをしている。いや、向こうはそう思っ待てないからデートでは無いのか……
(なまえ)
あなた
松村くん、このパンケーキ美味しいね!
松村北斗
松村北斗
美味しい……けど、ちょっと虫の居所が……
そう、わたくし松村北斗、パンケーキ専門店に来ております。
という訳で、周りには必死にスマホをパシャパシャしているイケ女ばかりでこんな陰キャ男子なんて場違いでしかない。
(なまえ)
あなた
んーー?気にせずに食べな?
彼女も、写真なんて1枚も撮らずにさっさとフォークを手に取ったと言う点ではここでは異質な存在であると言えよう
(なまえ)
あなた
あれ?もしかして甘いの嫌い?
松村北斗
松村北斗
全然?美味しいよ
俺から遊びに誘ったのに、提案した場所は全却下された。
本屋に美術館に博物館。

どれも眠くなるから無理!と言われてしまい連れてこられたのがここである。
(なまえ)
あなた
ここね、ずっと来てみたいなって思ってたの
だから今日来れてほんとに嬉しい!
松村北斗
松村北斗
それは良かった
そういや、次のご予定は?
(なまえ)
あなた
うーんとね、この上の雑貨屋さん!
アクセとかいっぱい売ってるらしいから見たい
松村北斗
松村北斗
了解
1口頬張る度にオーバーすぎるほど顔を綻ばせる彼女を見ながら自分も慣れない手つきでナイフをパンケーキに通す。
じゅわっと染み込んでいくメープルシロップが食欲をそそる。
やっとこの店の緊張感が解れてパンケーキの味に集中することが出来るようになった。

流石、1300円は伊達では無い。

たらふくパンケーキを食べ、口直しのコーヒーを頼んでくだらない話をしていると、あっという間に5時半だった。
彼女の家の門限は6時半、ここから彼女の家までは30分。
という事で、残りの30分で雑貨店を覗くことになった。


同じ建物に入っていたこの雑貨店。本当にビンゴだった。
この少し年季が入った木の匂い。
余計な装飾がされていない景観に、似合った店主。
商品も、派手でない、けどオシャレなものが多かった。
(なまえ)
あなた
ここ、いいね
彼女も同じことを思ったらしく、イヤリングを手に取りながらボソッと呟いた。
松村北斗
松村北斗
イヤリング欲しいの?
(なまえ)
あなた
うん、前にお気に入りのやつ落としちゃって
棚にかけてあるイヤリングを手に取っては耳にかざしてみて、を繰り返してる。
邪魔になるかなと思って自分はブレスレットコーナーに向かった。
私服的に、ブレスレットはよく付ける。
せっかくだから1個位買おうかなと思って適当に物色してみる。

一つ一つ見ていく中で、目を引くものを見つけた。
銀色のチェーンのシンプルなものだけど、鍵の小さな飾りが付いていて、シンプルな中によく映えている。
(なまえ)
あなた
いいのあった?
物色が終わったのかひょっこりと彼女の顔が近くに現れた。
咄嗟に飛び退いて、咳払い。
落ち着け自分
松村北斗
松村北斗
うーん、まあまあかな
(なまえ)
あなた
そっか、私これ買ってくるね
そう言ってパタパタとレジへ向かった彼女を見送って店を出た。
単純にここが狭いと言うのと、顔の熱を冷ますために。
彼女の無意識の行動に一喜一憂して心臓がどくどく波打ってる。
(なまえ)
あなた
おまたせ!
階段を駆け下りてきた彼女の耳にはさっき買ったのであろう花柄のイヤリングが付けられていた
松村北斗
松村北斗
うん、それ買ったの?
(なまえ)
あなた
そう!可愛いでしょ?
松村北斗
松村北斗
うん、似合ってるよ
(なまえ)
あなた
ありがとう、じゃあ手、出して
松村北斗
松村北斗
うん?手?
そう言って彼女が手に乗せてくれたのはさっき俺が見ていたブレスレットだった
(なまえ)
あなた
さっき見てたでしょ?これ
松村北斗
松村北斗
見てたけど、、なんで
(なまえ)
あなた
誕生日プレゼントだよ!流石になんも無しは私が納得いかないから
松村北斗
松村北斗
……ふふ、男前だね
(なまえ)
あなた
でしょでしょ?惚れちゃいそうでしょ?
いたずらっ子のように言う彼女。心を見透かされた気がして思わず無言になってしまうと、少し照れたように「冗談だよ」と笑って見せた。

(なまえ)
あなた
それ、貸して?
何も言わない俺のせいで照れてしまったのか、少し頬を赤くしてブレスレットを手に取った。

なかなかホックが上手く掛からないのか、少し険しい表情をしている彼女を見て思わず零してしまった。



松村北斗
松村北斗
惚れちゃった
(なまえ)
あなた
……へ?
思わぬ返答だったのか、ポカンと口を開いてフリーズしてしまった。
ブレスレットは俺の右腕で夕日を反射してキラキラしてる。
松村北斗
松村北斗
……惚れてる。貴方に
状況が飲み込めたのか、みるみるうちに彼女の顔が真っ赤に染まっていく。
(なまえ)
あなた
……じょ、冗談?
松村北斗
松村北斗
おれ、そんなキャラに見える?
(なまえ)
あなた
……見えない、、全然
松村北斗
松村北斗
本心だよ
君は冗談で言ったかもだけど、俺は本気で言ってる。
今日もそれが言いたくて誘った
(なまえ)
あなた
………うん
視線が下を向いて泳いでいた彼女がやっとこっちを見てくれた。
少しの戸惑いがその目から垣間見れる。
(なまえ)
あなた
……あの、返事さ、、
松村北斗
松村北斗
いつでもいいよ
決心したら言って
じゃあ、と手を上げて彼女に背を向けた。
内心吐きそうなほど緊張したけど、言うしかないって思った。
本ばっかり読んで語彙力だけは付けてたはずなのに、出てきた言葉はストーレート過ぎた。
けど、これでいい。これが俺の人生初の告白。
上手くいっても、ダメだったとしても、後悔はない。

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