第16話

16話
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2025/11/09 03:19 更新




   あの子が、

   どこかに消えてしまった。





   家を追い出しただけ。




   私が良くされていたように、


   家を…





   あの子がいなくなった喪失感よりも、
   やっと自由になれる開放感の方が、


   ずっと大きかった。






   あの子が、私の元夫に
   性加害を受けていることは知っていた。


   どれだけ怖くて、つらかったんだろう。





   それでも私は見て見ぬふりしかできなかった。




   私も、こわかった。





   馬鹿みたいに、

   狂って、遊んで、汚して。


   体を売っているのに。





 …
 や、んっ、やぁん、! 






   嘘の喘ぎ声。



   これであの子を養ってきた。



   生きてきた。





   気持ちよく魅せるのは、

   簡単だった。










   ごめんね、あなた。




   ごめんなさい、ごめんなさい。









 …
 ムカつくっ、
 あんたのその顔!! 








   あの人に良く似ている、その顔。











 …
 さっさとしね!!
 さっさとしねよぉっ!! 



 …
 ほんとに…しんでよ…… 






   あなたが死んだら、


   私も心置きなく死ねるのに。






   あなたが生まれてこなかったら、


   私は、まだ幸せなはずだったのに。








   何が間違っていたのかわからなくなってきて、




   泣くしかできなかった私を、

   あの子はどんな目で見ていたのだろう。


   あの子に縋り付いて泣いた私を。


















   いつか、幸せになれる日を願って。










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