第57話

🧢🕶
1,938
2024/09/10 09:37 更新



あなた
ん〜…!




渋谷についたら時すでに遅し。

ピンクと青の液体が地面を彩っていて、
スクランブル交差点にはサッカーボールが膨らんでいた。


あなた
哀ちゃん、手伝うよ!
あなたさん…!?


今から向こうへ行ってる時間もなさそうだったので、

一番近くにいた哀ちゃんが引っ張っていたサスペンダーを手に取る。



陣平
…いや、どういう状況だよ。


陣平さんは呆気に取られた顔で
サスペンダーを引っ張るのを手伝ってくれる。


あなた
…っ、だめだ結び直さないと…!


たしかここは崩れちゃう…
もっと丈夫な柱に、ってシーンがあったはず。


陣平
ったく…終わったら全部説明してもらうからな!


私と哀ちゃんの力に陣平さんの力が加わり、
一気にぐい、と引っ張られる。

あなた
うわ…っ、



私が崩した体制を
サスペンダーを引っ張りながら陣平さんが支えてくれた。


あなた
せーのっ…!


一人で掛け声をかけて引っ張っていると、
外国人らしき人がたくさん来る。

その人たちと哀ちゃんが何やらロシア語で会話をした。


陣平
っし…!いくぞ……
陣平
せーの…!
あなた
…!



私の掛け声にかぶせて陣平さんも声を絞り出す。

原作通りなら私達がいなくても助かるはずなのに、
一人でも足りなきゃダメな気がする。


陣平
よし…
あなた
結び付けれた…!
江戸川君!こっちもいけたわよ!



哀ちゃんが探偵バッチに向かっていった次の瞬間、






──月をバッグに、コナンくんが飛んだ。



























あなた
よかった…



思わずその場にへたり込んだ私の顔を覗き込むように、隣で陣平さんが中腰になった。


陣平
お疲さん。
あなた
陣平さんもありがとうございました…



なんかもう色々疲れた…

顔を上げると、遠くでミストのようにまかれている
緑色の中和剤。


陣平
…上行くか。
あなた
はい…




差し出してくれた陣平さんの手を取って
私は建物へと向かった。








お疲れ様。
今回も色々とありがとう、あなたさん。


屋上に行くと、
零さんが下の様子を眺めていた。

あなた
お役に立てました?
とても。
あなた
よかったです。


陣平さんも少し頬を緩める。
とりあえずこの事件は一件落着した。

あれ?リボン…
あなた
リボン?


不意に零さんが呟いたので、
反射的にオウム返しをしてしまう。

つけてないんだな…
海のときまではつけてたのに…
あなた
……あ、
陣平
あ、それは俺も思った。



そういえば…部屋の中に置いてきてしまったな…

大事なものなんだろう?
あなた
………はい。


でも…あのことに気づいてしまったから
もうつけるのが怖くなっている。

また、どこかに飛んだら……













そんな嫌なことばかり、頭をよぎってしまった。





















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