第19話

不穏な着信電話
1,597
2023/02/03 09:10







 凪くんと平和に
 中学校生活を楽しんでいたら、


 あっという間に1年が過ぎようとしていた。








 着々と鹿児島県に引っ越すための
 準備が進んでいるこの頃。










 でも、なんだか最近

 凪くんが以前よりも
 私にくっつくことが多くなった気がする。












______まるで何かを警戒してるかのように












 今も学校から一緒に帰宅してるんだけど

 なんか色々とスゴい。








 
あなた
 じ、じゃまた明日ね凪くん! 
凪 誠士郎
 ……… 




 しかし凪くんはその場で足を止めて


 私に向ける目は、何かを訴えてくる。







 






  もしや、これは_____________






 









_______いつものパターンのやつだ。















凪 誠士郎
 …家まで送らせて。 
あなた
 フフッま~た、そんなこと言って! 
あなた
 本当に過保護&心配症だね! 
あなた
 大丈夫、心配いらないよ! 
 何より申し訳ないし! 




 そして私は、

 いつも通り走って逃げようと思ったんだけど…










 凪くんに腕を捕まれて、

 足の歩みを無理矢理止めさせられてしまった。











凪 誠士郎
 あなた…お願い 
凪 誠士郎
 いつも言ってるけど……さ 
凪 誠士郎
 あなたのためなら
 全然めんどくさくないし 
凪 誠士郎
 何より、今日だけは絶対ダメ。 
 送らせて、俺に。 




 何かあったのかな……?



 ここまで言われたら、
 さすがに断れないよね…。



あなた
 わ、分かった…!
あなた
 それじゃあお願い、 
 …しちゃおうかな? 
あなた
 ありがとね凪くん! 
凪 誠士郎
 ん、任せて。 











 …ん? 何が?













 あと、手は繋ぐ必要あるの…かな…?//



















あなた
ふぃ~今日も疲れた~






 ベットの上でゴロゴロしながら、


 不意に義理を含めたクソ父親達と
 一人のクソ母親を思い出した私。









 思えば、凪くんと出会ってから、
 コイツらのことを考えたことが減った気がする。








     _______つまり!!!!









 もう大丈夫ってことだよね!?
 やっぱり日本に来たのは正解だった!

 漸くアイツらの手の内から逃げ足せたんだ!














 このときの私は、

 呑気にそんなことを考えていたんだ。
















       ♪~電話の着信音~♪















  この着信音から、私の人生は再び狂い始める。














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