凪くんと平和に
中学校生活を楽しんでいたら、
あっという間に1年が過ぎようとしていた。
着々と鹿児島県に引っ越すための
準備が進んでいるこの頃。
でも、なんだか最近
凪くんが以前よりも
私にくっつくことが多くなった気がする。
______まるで何かを警戒してるかのように
今も学校から一緒に帰宅してるんだけど
なんか色々とスゴい。
しかし凪くんはその場で足を止めて
私に向ける目は、何かを訴えてくる。
もしや、これは_____________
_______いつものパターンのやつだ。
そして私は、
いつも通り走って逃げようと思ったんだけど…
凪くんに腕を捕まれて、
足の歩みを無理矢理止めさせられてしまった。
何かあったのかな……?
ここまで言われたら、
さすがに断れないよね…。
…ん? 何が?
あと、手は繋ぐ必要あるの…かな…?//
ベットの上でゴロゴロしながら、
不意に義理を含めたクソ父親達と
一人のクソ母親を思い出した私。
思えば、凪くんと出会ってから、
コイツらのことを考えたことが減った気がする。
_______つまり!!!!
もう大丈夫ってことだよね!?
やっぱり日本に来たのは正解だった!
漸くアイツらの手の内から逃げ足せたんだ!
このときの私は、
呑気にそんなことを考えていたんだ。
♪~電話の着信音~♪
この着信音から、私の人生は再び狂い始める。
Next→
♡×10
☆×40
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!