第7話

今度は、私の番
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2026/02/15 15:03 更新
初ライブが近づいて、レッスンはどんどんハードに
なっていった。フォーメーションも増えて、
通し練習も何回もやる毎日。
シーン:レッスンスタジオ
音楽が止まる。
舜太
もう一回通すで!
太智
……っ、
一瞬、だいちくんの足元がふらつく。
あなた
だいちくん?
仁人
大丈夫か?
太智
平気。ちょっと立ちくらみ。
そう言うけど、顔色が明らかに悪い。
るる(心の声)
「全然平気じゃない。」
再び音楽が流れる。
でも、だいちくんの動きがいつもより重い。
ターンのあと、壁に手をつく。
あなた
ストップ!!
スタジオが静まる。
みんながあなたを見る。
あなた
(震えながらもはっきり)
だいちくん、無理してます。
太智
あなた、大丈夫やって——
あなた
大丈夫じゃないです!
自分でも驚くくらい大きな声だった。
あなた
(涙目で)
前に言いましたよね。
困ったら一番に言えって。
今、困ってるのはだいちくんです。
空気が止まる。
勇斗
……今日はここまでにしよう。
舜太
水持ってくる。
柔太朗
冷えピタあるよ!
仁人
座れ、だいち。
だいちくんは椅子に座らされる。
あなたはそっと隣にしゃがむ。
太智
(小さく笑う)
怒られたな、俺。
あなた
怒ってません。
太智
顔、泣きそう。
あなた
(小さな声)
怖かったんです。無理して倒れたら
どうしようって。
少しの沈黙。
太智
……ごめん。
あなた
謝らないでください。
あなたはそっと、だいちくんの手にペットボトルを
握らせる。
あなた
あなた、前に助けてもらいました。
だから今度はあなたの番です。
だいちくんの目がやわらぐ。
太智
強くなったな。
あなた
だいちくんのおかげです。
少しして、だいちくんが笑う。
太智
じゃあさ、今日だけ甘えるわ。
あなた
(にこっと)
はい。
遠くで見ていたメンバー。
舜太
立場逆転してる。
柔太朗
いいバランスだね。
仁人
ちゃんと支え合ってる。
勇斗
(静かに)
これがチームだな。
守られるだけじゃない。あなたも、
守りたい人ができた。
帰り際。
太智
あなた。
あなた
はい?
太智
……ありがとな。
その一言は、前よりずっと素直だった。
あなた(心の声)
「私たち、ちゃんと“仲間”だ。」

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