あなたの下の名前side
辺りは一面、
言葉通りの地獄絵図だった
周りの商品棚は荒れ、
服を着せられたマネキンは地べたに倒れ
瓶の棚、ワインセラーに似た物も倒れ
瓶は割れ、中身は地面に流れ
まるで赤ワインは___
否、なんでもない
其処に、そこらじゅうに倒れた人は、
数え切れないほどの量、
子供も、大人も全員倒れている
年齢問わず、倒れた人間が口を揃えてこう言う
「助けてくれ」
「殺してくれ」
「やめてくれ」
みんなが一番言っていた言葉は
「「「ごめんなさい」」」
訳が分からない、
何に謝ってるのだ
倒れた群衆の真ん中で、
幼い私が何かを叫んでいる
何を言ってるか聞き取れないから分からない、、
多分、相手によって聞こえる内容が違うんだ
そんな阿鼻叫喚の場所に、
叫ぶ声しか聞こえない場所には、似合わない
落ち着いた声が私の後ろで聞こえた
「あなたの下の名前さん」
私はゆっくり振り返る、
なんでだろう、
上手く、
笑えないや、
散らばった地面、
人の亡骸が散らばった地面、
誰かを囲むように、円になって
人が倒れて、物が倒れて、
赤ワインが人の倒れたところに
丁度良く、流れる
私を含めた三人は
それらを踏みながら
服屋へ向かう
店内は荒れ、人は誰も居ない
服も地面に散らばっている
試しに近くにある服を拾ってみる
なんとタグにはゼロが4つ、四捨五入すれば5になりそう
もしやブランド品ですか、
道化師が見せたのは、
ざ・お嬢様、が着そうな
ふわふわのドレスだった
いや、ロリータ服っぽいような、、、、
その辺は分からないけど、
動きにくい服は好まない、
でも、
少し着てみたい
自分が今まで着てきた服は全部お下がりだから
新品の綺麗な服、それはそれは
全部、鮮.血で所々染まっていた
結局は汚れ仕事をしなければならない
汚れても良い、動きやすい服を選ばなければ
黒くて、動きやすそうで、
軍服みたいで、
自分には似合わなさそうな服、
でも、着てみたいと思った
黒色なのでこれを着て仕事をしても、
朱は目立たない
この服を着て笑って仕事をすれば、
また噂は流れて、会えるかもしれない
試着室には鏡がある
着てみたけれど、やっぱり
着ない方が良いかな
これならスーツの方が噂は流れるかもしれない、
うーん、、
取り敢えず二人の反応でも、、、
あ、此処には鏡がある
先程から笑えないし
少し練習しよ、、、
試しに笑う
でもとてもぎこちない笑み
だから指を使って口角をあげる
その感覚を、口角を上げる感覚を覚えて
今度は指なしで笑う
…………
なんでだろう、
目だけ笑えない
口だけ笑える、
まるで、
昔に戻ったみたいだ
それなら何処かにフード無いかな…
私が笑う練習をしてると、
外から口論っぽい声の掛け合い?が聞こえた
早く出よう、、、
よし、最後に笑う練習、
やっぱり、
目だけ笑えない
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。