くずは様に拾われて1ヶ月 。
私はサラさんに 、
銃やナイフの使い方 、 ごしんじゅつを
教えてもらった 。
そして 、 楓さんに
役に立つところを見せる 、 という名目の
お披露目会 。
私の銃の使い方やナイフの扱い方を
一通り見た楓さんは 、
目を伏せて少しの間の沈黙を挟み 、
大爆笑していた 。
駆け寄ってくれるサラさんに
楓さんはこれでもかと笑う 。
ツボにハマってしまったようで 、
喉の奥からヒィヒィ聞こえてくるほどだ 。
目尻に浮かんだ涙を拭う楓さんに
ムッと頬を膨らませると 、
楓さんは「 それで 、 」と続ける 。
そう言った楓さんがツボにハマりかけるのと
同時に 、 訓練場の扉が開いた 。
そう言って気まずそうに顔を覗かせた
くずは様は 、 向けられた楓さんの視線に
身を竦める 。
再び面白そうに笑った楓さんに 、
くずは様が意を決したように声をかける 。
くずは様が 、 私の頭を自分の足に寄せる 。
くずは様の言葉に 、 楓さんはなにも言わず
くずは様を見つめている 。
楓さんを真っ直ぐ見て言い切った
くずは様に 、 胸が熱くなる 。
ここまで大事に思ってもらってるなんて
知らなかった 。
でもだからこそ 、 言わなきゃいけない
ことがある 。
私の声を遮った楓さんに 、
くずは様は怪訝そうに眉をひそめる 。
くずは様は 、 私がとっくのとうに楓さんに
「 得にならない 」と判断され 、
見捨てられたと思っていたのだろう 。
実際私も直前まではそう思っていた 。
くずは様のそばに居たいからたくさん
頑張ったけれど 、 それでも手が震えて 、
弾は的に向かってくれないし 、 ナイフは
すり抜けていく 。
けど 、 楓さんはお披露目の前に言ってくれた 。
そう言われて 、 くずは様が口にした言葉は
「 なんで 」でも 、 「 有り得ない 」でも
なかった 。
くずは様は心底安心したように顔を歪めて 、
と 、 慈愛と安堵の滲んだ声でそう呟いた 。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。