剣持さんにおぶられて拠点に帰り
手当をしてもらった後 、
楓さんの部屋の扉をノックしに行った 。
扉の前でわいわいと話していれば 、
後ろから「 お 、 」と声が聞こえた 。
言いながら 、
楓さんは扉を開けて部屋へ入っていく 。
くずは様にも楓さんにも
怒られるんだろうなぁ … と憂鬱な気分に
なりながら私も後に続いた 。
「 すみません … 」と項垂れると
「 そんで 、 」と楓さんから声がかかる 。
「 そもそも僕はいえすろりーたのんたっち … 」
と楓さんに話し始める刀也さんを眺めていると 、
不意に名前を呼ばれた 。
返事をして 声がした方向を向けば 、
くずは様が長い睫毛を上下させた後に
私を見つめた 。
てっきり 怒られるものだと思っていたら 、
予想外に心配の言葉が来て肩の力が抜ける 。
緩んだ口角をそのままにへにゃりと笑い 、
足を庇いながらくずは様の座る
ソファへ歩いていった 。
がしがしと頭を撫でられ 、
そのまま膝の上に座らされる 。
なんだか 変な感じだ 。
いつもだったらミスした時には何かしらの
罰を受けているのに 。
首を傾げると 、 くずは様は柔らかく笑う 。
それはもちろんそうだけど … 。
む 、 と唇を尖らせて少しの間 考える 。
ミスを減らすためにも 、 やっぱり罰は
受けた方がいいと思う 。
だってその方が次のミスは減ると思うし … 。
くずは様は前回なんて言ってたっけ 。
次ミスした時の罰を言ってた様な気がする 。
捲し立てた後に ぎゅっ と目を瞑ると 、
くずは様のため息 。
迷惑だったかな 、 でも罰はちゃんと受けないと …
あれこれ考えていると 、
少し柔らかくなったくずは様の声が聞こえた 。
ちゅ 、 と音がして 、 額に柔らかい感触 。
恐る恐る目を開くと 、
顔が少しだけ赤いくずは様がいた 。
ぷいっと顔を背けてしまったくずは様に
首を傾げる 。
くずは様の言う通りこれが罰なら 、
まぁいいか … 。
罰って私が苦しまなくちゃ意味 無いんじゃ
なかったっけ 、 と思ったが 、
お腹がすいたので深くは考えないことにした 。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。