突然後ろから話しかけられた。
なるべく誰とも関わりたくないから
名前も顔もわからない。
前にあった自己紹介なんてものも
当たり前に聞いていなかった。
え…誰…??
ここは誰かわかるみたい、
しょ、初対面で名前呼びか…
というか、なんでわたしの名前知ってるの、??
皇…先輩か、
皇先輩がニカッと笑って自己紹介をする。
チャラっぽいな、苦手なたいぷ
ふわふわした感じの人だな、
皇先輩よりは話しやすそう、!
てか、おんなじクラスだったんだ…知らなかった
あっという間にわたしの番が回ってきてしまった。
上手く話せる、かな
段々と小さくなっていく声。
3人分以上の視線が自分に集まっている気がする。
あの日の記憶が少しずつ蘇ってくる。
周りから向けられた鋭い視線。
ひそひそ、と聴こえてくる
恐らくわたしに向けられたであろう話し声。
目頭が熱くなってきた。
呼吸がしずらい。
もうやだ、かえりたい、
たすけてよ、やだよ、もう、あの頃とまた一緒、
首筋を冷や汗が流れる。
人前で泣くのは何時ぶりだろうか。
否、まだ泣いてはいないのかもしれない。
ただ、その真実はわからない。
吸ったはずの空気はひゅ、と浅く流れていく。
吸って、吐いて、吸えなくて、吐けなくて、
段々と視界が霞んでいく。
耳鳴りがキーン、としてうるさい、
何も考えられなくなっていく。
気づけばここに手を引かれ校舎に入っていた。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。