_あなたside_
俺がやっとのことで絞り出した一言を師匠は一蹴する
ゾワッ
首筋に寒気が走り、見ると一筋の血が流れている
“殺られる”
俺は急いで距離を取り、さっきキラにもらった短剣を構える
この場所はみんなの部屋から離れている
しかもこの空気
声を出した隙で殺られる
ピリピリと肌を突き刺すような殺気に短剣を持つ手が手汗で湿る
任務に失敗した【南華軍】幹部…
そりゃ処分されるか
ガキンッ
だめだ、受けれない
ザザザ…
後ろに押された反動を使い、師匠に向かう
ここに来る前、
あいつらに出会う前は、納得してたかもしれない
失敗した俺に生きる意味は無いと
でも、
それでも、
そう腹から声を出して自分を奮い立たせる
そうだ、俺はもう【南華軍】幹部じゃない、
俺は【西武軍】幹部だ
!!遠くからルビーの声が聞こえる!
もう少し、もう少し耐えれば、
そう言って師匠はどこかへ去っていった
ヘナヘナと力が抜けて地面にへたり込む
このままじゃ、巻き込んでしまう
元【南華軍】幹部の俺のケジメに
師匠は強い。そして、何よりルビーに見せたくない
ルビーは俺の事を少なくとも仲間だと思ってくれてるはずだ
いなくなったが大切な姉が仲間を殺すところなんて
…いや、殺される気はさらさらないが。
けど
必死な顔で呼びかけているルビーの声を流して、首に触れる
死ぬのは恐い
恐いなぁ…
後から駆けつけたザキや紫霊、キラが焦った様子で揺さぶってくる
目の前がガラガラと崩れ落ちて
平穏が終わる音がした。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!