麻美side
確かに。
鬼が何らかの目的で死体を持っていったか、
食べたとすればこの教室に生徒の死体がないことの
説明がつく。
そう言いかけたときだった。
あやが私の口を抑えるように、手を回した。
あやはいくら私が話しかけても反応しない。
すごく真剣な眼差しで、どこかを見つめている。
すると、隣の教室からだろうか。
とても近い場所で、かすかな音が聴こえてきた。
グチャ
バキッ
あやと私は思わず目を合わせた。
あやが音もたてずに隣の教室へ向かった。
私もあやの後に続く。
そして、教室のドアから教室の中を覗いた。
そして、私達は自分の目を疑った。
鬼が、人を食べている。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。