さとみくんに告白されて数日経って、星彩高校は夏休みに入った。
その数日の間は、僕は色々とすることがあってるぅとくんのところには行けなかった。
けど、、、
るぅとくんのいる病室の前で、僕はさっきからこれを繰り返している。
数日経って、今更前のことを謝りにきて、なるべく一緒にいて過ごしたい。
なんて、受け入れてもらえるか不安で仕方がない。
るぅとくんは通院をするらしく、初めの1週間はるぅとくんの体の状態を調べるため、念の為入院をするらしい。
早く色んな話がしたい、、、、けど、、、
さとみくんに言われた、そばにいてやれって言葉…もちろんしないと行けないけど…なんて言うか、寿命のことを聞いたあとだと…重みが違うって言うか………
どうしたら、、、、
不意打ちのことでびっくりしすぎて、僕は素っ頓狂な声をあげた。
るぅとくんはそれにツボって、ずっとお腹を抱えて笑っている。
僕が急に黙り込むものだから、るぅとくんは首を傾げて不思議そうに僕を見つめている。
るぅとくんは僕を教室へ招き入れた。
長く歩いたのか、るぅとくんは疲れた様子でベットに横になった。
僕の言葉を遮るようにして、るぅとくんは静かに言った。
るぅとくんは申し訳なさそうにして、下を向いた。
僕は黙ってるぅとくんの話を聞いた。と言うより、聞くことしか出来なかった。
るぅとくんの寿命がいつか来るとしても、、、
、、今日じゃないなら、るぅとくんが1人で孤独と不安を抱えることは、これから僕が無くせるじゃんか。
僕にできることを、しないと。
手を振りながら、病室を出た途端、僕の顔は笑みで溢れていた。
るぅとくんのためにできることが、すべきことがわかったんだ。嬉しいに決まっている。
僕は小声で独り言を言い、軽く拳に力を入れた。
その様子を病院内にいた子供達に見られて、くすくす笑われてしまった。
僕は見られていたことに気づいて少し恥ずかしくなった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。