勢いよく寝ていたベッドから飛び起きる
目が覚めた。良かった。
だが冷や汗らしきモノが顔を伝うのが分かる
気持ちが悪い夢だ
2度と見たくない
ベッドから降りて、飲みかけの水を飲む。
その行為がいつもよりも億劫に感じた。
口についた水を袖で拭った
黒の長袖だからEpicは気付かないだろう
時刻はAM4:00を回っている
まだ私しか起きていないだろう。
そして今日は休日。
流石のEpicでも起きていない時間だ
どうしたものか。
やる事がない。
寝るとなっても目が冴えてるし
あの夢の後だ。何が起こるか分からない
そのまま本棚の方へと向かい、
もう一度見返そうと思っている本を取ろうとした。
でも何か違和感を感じる。
手に取ろうとした本の近くには
全体が真っ黒に染まった本が閉まってあった
この部屋の本棚はEpicと共有していないはず
じゃあ一体誰が?
そう思ってその本を取る
何が起こるかも分からないが、
好奇心にはどうしても負けてしまう
開いてみるとそこは真っ白なページだった
いやどういう事だ。
知らぬ間に自分の本棚に黒い本が置かれている。多分この事はEpicも知らない。
だとしたら一体誰が?
心当たりが数人…居るな。
…本当に何故?
そう思い、ページを一枚捲る
次のページは黒一色で染められていて、
まるで_____
嫌な気配を感じてすぐさま閉じた。
一応本棚へ戻しておこう。
こういうのは無闇に移動しない方が良い
前にもそんな事が起こっていた事例がある
その時はEpicは外出中かつ私1人でどうにか対処できたからいいけども、この本は一筋縄じゃ行かなさそうだ
出るはずのない冷や汗が頬を伝った
マグカップに注いだホットのブラックコーヒーを持って、ソファーに座った。
やはりさっきの本が気になってしまっている
何かが起こる予感がしているから早急に処分したいけれどもなあ…
口からは溜め息しか溢れない
1-2時間程度思考回路を巡らしていたが、
今日はEpicとの用事があるし、それに明日もやらなければならない事が沢山ある。
どちらを優先すべきか、かな
正体不明の本か。それともやるべき事か。
上を向くと此方を覗き込んでくるEpicの顔が見えた。
気配を感じ取れなかった…
いや、こっちが遮断してたからか
軽い朝の挨拶を交わしてEpicは隣に座る
時刻はAM6時を過ぎていた。
冷めたコーヒーを口に運ぶ。
その代わりにずっとカップを持っていた手が暖かくなっている。
コーヒーを再び飲んでいた顔を覗き込んでそう言って来た。
何か考えがありそうだがそこまで重要な事では無さそうだから別にいいか。
返しが若干上手いなと思いつつキッチンへ向かう。
そういえばパンがもうなくなるから買いに行かなきゃダメだな…
あと他にも買う物あるじゃん。Epicとの買い物のついでに買って帰ろ。
そんな事を考えながらトースターの準備をする。
冷蔵庫からバターとジャムを取り出しておいて、トースターの中にパンを入れとく。
焼いている間は少し時間があるから待つ。
大体予熱無しで4分でできるから
その間に少し余裕が生まれる
どうせならお湯も沸かしておこう
何か役に立ちそうだ
水を沸かす用意も出来て、やっぱり時間が余った。そう急いでいるつもりもなかったが。
あとは昨日のゆで卵もあるし…サラダ…はまだか。まあレタスとミニトマト洗って水切って盛り付ければ良いか…
…さて
あの黒い本がまだ気掛かりだな…
何が起こるかわからないし、何より正体が判明していない。これだけでも最悪なのにそれに加えて今日は家を空ける。
…最悪でもある
まあでも私の部屋は少し細工を施してるからそう心配は要らないか…?
いやでもな…前例があるからな…
アイツに手伝ってもらうしか無いか…
するとお湯が沸いた音がした。
ケトルから湯気が出ている
すぐに移動させて台の上に置いた
あとはパンが焼けるのを待つだけ。
サラダも盛り付けたしお湯も沸いた。
焦げた匂いはしないから本当に待つだけか
………
暇だ
何も考えないでいよう。
ちょっと朝っぱらから疲れた
あなたは無心でトースターを見つめている
トースターからはパンの焼ける匂いがする
眺めていたらパンが焼けた様で、トースターから出て来た。
出てきたパンをとって皿に移し替える
熱かったがそれほどでも無い。
そしてその皿を全てテーブルの方へと移し替える
少しぼーっとしてた為か返しが若干遅くなってしまった。
要らぬ心配をEpicにかけていそうで
少し申し訳ない
癖が治らないのはどうしたら良いもんか
食卓のイスに座って2人は食べ始める。
無音なんかでは無い。
2人の会話と生活音だけが部屋に響く
話の内容は今日の予定である買い物
何処に行くか等を聞いたりしている
2人は楽しそうに話す
それは、
あなたの頭からあの本の存在を消す位に。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。