第5話

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2023/09/21 15:00


なつ
…そういや、お前も花火大会来るんだっけ?

放課後、教室に残っている俺は、前の席座ったなつの言葉にそういえば、と思い出す。

明日だったな、花火大会。

いるま
行く
なつ
ふぅん。なんかお前がこーゆうクラスの連中との約束断らないの意外だな
いるま
…そうか?
なつ
おん。バスケ部の奴らとかと行くかと思った


まぁたしかに、部活の奴らには誘われたけど。

いるま
…あいつに誘われたから
なつ
あいつ?あー…なるほど


納得したように頷くなつ。

今教室にいるのは俺となつだけだから、周りを気にせず話せる。

なつ
浴衣目当てだな、さては
いるま
……別に
なつ
絶対そうだろ

呆れた声に、顔が熱くなるのを感じてふいっと顔をそらす。

なつ
……つかいい加減、あなたの下の名前と話す時素っ気なくすんのやめたら?

なつの言葉に、一瞬きょとんとする。

けどすぐに意味を理解して、目線を落とした。

いるま
……別に、俺だってそうしたくて素っ気なく接してるわけじゃねーよ


ただ……とぼそぼそと続ける。

いるま
……あいつと喋ってると、どうしても顔が緩みそうになるんだよ……
なつ
ほぉ……なんで?



そんなの決まってるだろと思いつつ、口を開く。




いるま
……だって可愛すぎんだろ。あいつ

あの笑顔といい、性格といい。

いるま
ほんと、なんであんな可愛いんだよ……

全部が全部、愛おしい。

こんなに誰かを好きになるのは初めてで、正直自分の気持ちにも驚いてる。
なつ
ベタ惚れだよな、ほんと
いるま
当たり前だろ

誰にだって、渡したりしない。

絶対俺のこと好きにさせる。

いるま
あーあ……














いるま
……早く惚れてくんねぇかな…



















あなた
……~~っ…!?!?//



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