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第10話

.10
1,824
2024/05/27 07:36


9話読み直し推奨。









いるま
……
あなた
……
いるま
……あのさ
あなた
……何














いるま
お前マリカ下手すぎん?????
あなた
うるさいなぁ!?!?

ゲーセンのガヤガヤうるさい周りの音に

負けず劣らずの音量で言い返す。

いるま
それそのまま行くと落ちっ…
あなた
…落ちた
いるま
…えお前ほんとに目見えてる???
あなた
見えてるよ両目視力10.0あるよ舐めんてんのか
いるま
マサイ族かよ

どうしてこんな事をしているのか。

それは遡ること、約3時間前___








あなた
……

決戦の時がやってきました。

隣の席の人に答え合わせをしてもらうため、

私の回答はいるまくんの手元、

いるまくんの回答は私の手元にある。


あなた
(…50点満点中44点……)

思ってたより高得点でビビってます。

いやでも大丈夫。私も今回はいつにも増して

気合を入れた。

絶対大丈夫よあははっ。(大フラグ)

いるま
……自信のほどは?
あなた
100点の気しかしませんね
いるま
50点満点でどっから出てきたんだろうなその50点

敵の言葉なんて聞かないよ私は。

絶対に校庭で腹踊りさせるから。

先生
全員答え合わせ終わりましたねー?
じゃ、隣の人に回答用紙返してください
あなた
どーぞ
いるま
さんきゅ

裏向きにして渡された回答用紙。

心の中で思いっきり願いながら、ゆっくりと

ひっくり返した。

あなた
……すぅ…

一旦落ち着こう。

静かに裏向きに戻した。

いるま
…お、意外と取れてる

いるまくんの呑気な声が隣から聞こえる。

いるま
……あなたの下の名前ー?
あなた
……
いるま
約束、覚えてるよな?

心底楽しそうな、いるまくんの声。

こいつ……
あなた
…私満点でしたけど???????
いるま
38点だろ馬鹿
あなた
う"っ……

返す言葉も出てこない。

てことは私が言う事聞かなきゃいけないってこと

だよね

あなた
……腹踊りだけは勘弁してください
いるま
捕まるわ俺が

あぁ良かった 。

あなた
…何をすればいいの?
いるま
んー……じゃあ

いるまくんが耳元に近づいてきたので 、

私も耳を傾ける。




いるま
___放課後、俺とデートして
あなた
…へ、……

デート……????

あなた
…えぇっ!?!?!?!?!?!?!?
先生
あなたの名字さん、授業中
あなた
あ、すみません……


なんてことがあり 。

デートなのかは分からないけど 、

いるまくんと二人でショッピングモールに来たわけです 。

いるま
お前がマリカ壊滅的なのは
よく分かった
あなた
免許返納しようかな……
いるま
そもそも持てないと思うお前
あなた
ひっどい

まぁ冗談で言ったボケなのでツッコまれて

嬉しいんだけど 。

二人でだべりながらゲームセンターを出る 。

いるま
次どこ行きたい?
あなた
んー…あ、ねぇあそこの雑貨屋さん行ってもいい?
いるま

前から気になってたお店。

店内は女の子が多いけど、

割とオシャレな雰囲気だからいるまくんも

入りやすいよね…?

ちらっと隣をうかがうけど、

いるまくんは特に気にした様子もなく無表情で

店内をきょろきょろ見回していた。


いるま
…何?
あなた
あ、いや……

私の視線に気づいたいるまくんが、

怪訝そうな顔をする。

あなた
……女の子ばっかだから居心地悪くないかなって
いるま
俺が?

こくん、と頷くと。

いるまくんはふっと吹き出してから、

私の頭を撫でた。

いるま
別に気にしてねぇから。
それに、お前が行きたいとこ行きたいし

そう言って優しい顔をするもんだから、

思わずドキッと胸が高鳴った。

あなた
……ありがと
いるま
別に

ほんと、なんだかんだ優しい人なんだな。

そう思うと同時に、前よりいるまくんの事を

知りたいと思っていて



ほんの少しだけ、惹かれている自分がいることに

気づいた。

あなた
……わ、これ可愛い
いるま
どれ?

隣から、いるまくんが私の手元を

覗き込んできた。

いるま
ネックレス?
あなた
うん、どう?

試しに首元に持っていって、

いるまくんに見せてみる。

いるま
可愛いじゃん。そういうの好きなんだな
あなた
まぁね

何気なく言われた"可愛い"に、

少し嬉しくなってしまったのは内緒。

ネックレス買っちゃおうかな、なんて

値段を見てみると。

あなた
……うわ、高……

ちょっとバイトしてない高校生が

手を出すには気が引けるお値段だった。


今度来た時にあったら買おう……


私はそっと、ブレスレットを元の場所に戻した。

いるま
……




あなた
はー…色々回ったね
いるま
だな

急遽決まったデート(?)だけど。

気まずくなることも無く、

すごく楽しい時間だった。

いるま
…ちょっと俺トイレ行ってくるわ
あなた
ん、おっけい
いるま
ここで待ってろよ??
あなた
分かってるって

言われなくてもいなくならないのに。

迷子になるとでも思われてんのかな、なんて

思いながら一人でスマホをいじる。


あなた
…あ、そういえば

今目の前にあるお店を見て、ふと思い出した。


さっきこのお店の前を通った時に、

店頭に並んでいたクマのぬいぐるみを

ガン見していたいるまくんを。

あなた
……

ちょっと見てこようかな。

私はそう思い、立ち上がった。







もぶ
ありがとうございました〜


結局買ってしまった。

あなた
……いるまくん喜んでくれるかな

ぬいぐるみを見て顔を輝かせるいるまくんを

想像して、思わず笑みがこぼれる。


いるまくんが来る前にと少し早足で、

さっきのベンチに歩いていると。

もぶ
ねぇ君、一人?
あなた
…?

突然、見知らぬ男の人に話しかけられた。

もぶ
良かったら俺と遊ばない?

……ナンパか。

あなた
…いや、友達と来てるので
もぶ
えー、けど今一人で歩いてんじゃん。
ほんとは一人なんじゃないの?
その言い方に、少しカチンとする。

あなた
今トイレ行ってるの待ってるんです。
あの、迷惑なんでやめてもらって
いいですか
もぶ
まぁまぁいいじゃん?その制服
○○高校のでしょ?俺もそこの
卒業生でさー…
あなた
ちょ……

年上かよこいつ……

腕をつかまれ、振り払おうとするが、

力が強くなかなか離して貰えない。

あなた
ちょ、やめてください…!
もぶ
いいから。一緒に来いよ?

ぐいっと腕を引かれ、そいつが歩きだす。


やばいかも……っ








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