いつも通りの朝。
クラスメイトの返事に笑みを返しながら、自分の席に向かう。
ピタッと、動きが止まる。
いやあの、だって……
あのいるまくんがっ、朝からこんなに爽やかな笑みを浮かべてるんだよ…!?!?!?!?
しかも私の目を見て…!!!!!!
すーっと目を逸らして、自分の席につく。
いや、なんか、話しずらいっ…!!(
いやおかしいもんだっているまくんから話しかけてくることないじゃん普段おかしいのはあなただよ(マシンガン)
いるまくんは少しむっとしたような顔をすると、口を開いた。
頬杖をつき、不機嫌そうな顔でこちらを見てくる。
あざといじゃん何この人
間髪入れずにそう言われ、うっと言葉につまる。
そんな私に、いるまくんはしばらくムッとしていたが、ふと、何かに気づいたような顔をした。
からかうような声に、ばっと顔を上げる。
途端に、花火大会でのことがフラッシュバックして、顔が熱くなった。
ふっ、 といるまくんは笑う。
微笑んでそう言われ、不覚にもドキッとして、慌てて顔を逸らす。
まじで、調子狂うっ…!!!
突然の言葉に、素っ頓狂な声を上げる。
楽しそうに、いるまくんは微笑んだ。
……いやちょっと待って。
何でもとか、もし負けたら何言われるか分かんないじゃん…!?
からかうように言われ、思わずむっとする。
絶対負けないわがんばろ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!