ミクも楽しんでくれてる。
7時はとっくに超えてしまっているが、あんなに楽しそうにしているミクを止めたくはない。
………これも言い訳かもしれないけど。
私はずっと結果オーライと言い聞かせていた。
その時だった。
その時のテトの姿は、
夢を挫折した時の私、
虐められて絶望しているミク、
………私が怒り狂っていたときのお母さん。
全てが重なった。
『強制解除』
催眠を解くとミクたちはすぐに走り去ってしまった。
結局私は何も助けられなかった。
それどころか、テトを壊してしまう始末。
ごめんね、ミク………。
ごめんね、テト………。
ごめんね、お母さん………。
翌日__。
私はミクとテトに謝るために、なるはやで学校に向かった。
が、
ミクに謝った後にテトに謝ろうとしたけど、先にテトのところに行こうかな。
そんなことを考えていると、廊下から矢鱈にうるさい足音が聞こえた。
早くないでしょ、ホームルーム始まる1分前だよ。
嘘………でしょ………………。
………自………………殺………………………………。
ふと、教室の入り口を見るとテトがいた。
テトの顔はすごく真っ青だ。
おそらく、話を聞いていたんだろう。
ダッ
話しかけようとしたと同時にテトが走り出した。
私はそれを追いかけた。
追いつけない、足早すぎでしょッッ!!
泣いてる………。
ごめんねテト…!!!
私があんなことしなかったらッッ………!!!!!
クラッ
テトが横に倒れた。
しかも横は壁ではなく階段で………。
階段の下を見ると、
頭から血を流したテトがいた。
テトが動く気配はなくて………。
確かめなくても分かる。
しばらくすると先生や生徒たちがゾロゾロ集まってきた。
救急車を呼ぶ声。
泣声。
ただ呆然と眺め過呼吸になってる声。
私はひたすらに泣きじゃくって、走った。
お母さんを壊した。
ミクを壊した。
テトを壊した。
そして、
私を壊した。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!