_____『悪魔と契約を交わし、生き残った者』
_____『それらを、グールと呼ぶ。』
◇
掠れた意識で、なんとか目の前の化け物を
視界に移そうと目を見開く。
しかし私が感じられたのは、
心の底から嫌悪するような笑い声だけだった。
倒れ込んだ私の体は、
腹部から未だ血液が溢れ続けている。
そのせいか知らないが指一本すら動かせる気力がない。
これはまずい、と
私は浅く息を吐いた。
声が震える。
恐怖か痛みか、それすらもう私には判断つかなかった。
私は地面に伏したまま、
私を見下ろしているだろう化け物の返事を待つ。
数分か、数秒か。
激痛からか時間感覚の狂った私には、
この時間が永遠のように思えた。
「________ 縺雁燕縺ョ鬘倥>繧定ィ€縺」縺ヲ縺ソ繧医€�」
聞こえてきた声は、
言葉の形を保っておらず、
ただ機械音を並べたようなものだった。
なのに、なぜか、
この化け物が何を言っているのか、
私は直感的に悟る。
「 "________ お前の願いを言ってみよ " 」
ああ。化け物じゃない。
コレは、そういうレベルのものじゃない。
そうだ、コレは____________悪魔だ。
ふと、兄ならなんて言うんだろう、と思った。
兄は頭がいい。だから、もしかしたら
きっと私には考えつかないことを願うのかもしれない。
そんな兄の妹であるというのに、
私は己の欲望に忠実な願いしか出てこない。
更に酷くなった激痛を堪えて、
私は自嘲気味に「ふ」と笑った。
◇
ねえ、お兄ちゃん。
お兄ちゃん、あのね。
本当は、
本当は、ね。
____私だって、
____貴方を助けたかったし、守りたかったんだよ。
だから後悔してないと言ったら、
いつかのように、頬を引っ張って怒ってくれるかな。
◇
誰かの泣き声が聞こえて、目が覚めた。
その誰かは、私の寝ていたベッドの横に座っていて。
世界一、優しい涙を流していた。
すみません、これ三話で間違いないですか?
三話なのにクライマックスすぎる………………













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。