長い廊下を歩く。
レッドカーペットらしきものが伸びたそこは、まるでどこかのお屋敷だった。
ワイン色に染められた絨毯は、僕を受け入れるかのように長く、長く続いていく。
なんだか飽きてきて眠くなってきた。僕はあくびをしながら歩く。
そして、それは見えてきた。
そこは、大広間だった。
無邪気な声を出すと、近くから声が聞こえてきた。
「こんな状況で凄い?……よくそんなことが言えるね。」
それは、紫髪の女子だった。しかし性格的には男子っぽい。
軽く自己紹介をすると、彼女は目を細めた。
……冷徹だ。僕の性格を見てそう思ったのか?
「だから、みんなで頑張ればなんとかなりますって!多分ではありますけど!」
「また伯爵かよ……クソ……」
「わ、私にそんなことしろと言うのですか!?」
「経験したことないのですか!?」
「む、むむむむ無理ですよ、絶対……!」
「えっと………皆さんどうしました?」
また横から声が聞こえてきた。
…………今度は賑やかそうだ。
そう僕たちが入ると、全員がこちらを向く。
「………もしかして、揃った?」
「いや、まだ3人来ていないですね……。」
「でも始めた方がいいだろ?待つのも面倒くせぇし。」
「た、確かにそうですね………。」
「じゃあ、軽く自己紹介をしようか。」
桃色のショートカットをパーカーにしまっている女子はそう言う。
「………黒宮さんが言ったなら次は私ですか。」
隣の背の高い女子が、立ち上がって言う。
「次は私ですね!」
元気のいい、明るい女子が立ち上がる。
「じゃ、俺もやっておくか。」
黒髪の、まるでひねくれているような男子が立ち上がる。
「じゃあ次は僕が。」
マスクを付けた、白髪の男子が立ち上がる。
「つ、次………私いいですか……?」
緊張しているのか、小さく手を上げてその女子が立ち上がる。
「…………あー、えっと気まずいけど言いますね。」
茶髪の髪にメガネをかけた男子が立ち上がる。
「じゃあ次は私が〜。」
長い白髪の髪をなびかせた女子が立ち上がる。
「………クソ……」
立ち上がり、周りを見渡す。
「………最後はオレ、か。」
先ほどまで文句を言っていた男子が立ち上がる。
「………一一。」
「だから……あー、面倒くせぇ。」
「よりにもよって、なんで舞台が紅魔館なんだよ……。」
「しょうがないじゃない。巻き込まれたなら、全力で立ち向かうまでだわ。異変解決と同じよ。」
「でもルールで物を壊すの制限されちゃったんだよなぁー。」
「どんな状況でも壊すなよ。」
「え〜?」
その時、通路から3人が現れた。
頭に大きなリボンをつけ、巫女服を着た女子。
まるで魔法使いのような服を着た女子。
そして、大きな帽子に赤色の服を着た女子。
「…………ごめんなさい、待たせたかしら?」
「ごめんね?魔理沙が遅かったせいで。」
「遅かったのはそっちだろ。」
「二人とも、とりあえず自己紹介をするわよ。」
「………自己紹介していい?」
「そうなの?……じゃあ、いいや。」
彼女の反応は、怖いからという理由ではなく、ただ単に呆れているから、というように見えた。
同じだ。……なんだろう、この個性的な3人は。
そう言われて、参加者がスマートフォンの置いてある机に向かう。
僕も向かおうとした。……その時だった。
『望月琉叶。』
頭にそんな声が響いた。思わず、周りを見る。しかし、近くには1人しかいない。
その状況を見て、僕は全てを察した。
『………どういうことかは、わかったな。』
「………望月さん。」
その声の主がそっと近づいて囁く。
そのことを、誰もが気づいていない。
そして、声が重なった。
………ああ、そういうことね。
……………プラン変更。
………吸血鬼陣営の勝利に貢献することとする。





















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。