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第97話

🐧 × 🐯 諦めるしか…… 2
1,905
2024/01/02 11:06 更新
あれ?今ミナ先生の声が聞こえたような……。




考えすぎだ。
いくら好きだからってミナ先生の声がするはずがない。




ミナ「ちょっと聞いてるん?」




……ん?




思わず顔をあげると




チェヨン「んぇえ!?ミナ先生!?」



ミナ「呼び出しておいてそこまでびっくりする?」




教室のドアの前には確かにミナ先生がいた。




辺りが暗いせいでミナ先生なのかハッキリしてないけど
明らかに声がミナ先生だった。




ミナ「そろそろ下校時刻だよ。」




そう言いながら教室に入ってくると
窓の鍵が閉まっているか確認し始めた。




チェヨン「なんで来てくれたの……?」



ミナ「……。」




ミナ先生は私の質問には答えてくれない。




ただ淡々と確認しているだけ。




チェヨン「……。」




私はその背中を眺めていた。




ミナ「ほら、帰るよ。」




私の前を通り過ぎようとしたミナ先生。




ミナ「!?」




気がついたら私はその腕を掴んでいた。




ミナ「何……?」




一瞬驚いたように見えたミナ先生だけど
冷静な顔でそうやって聞いてきた。




チェヨン「分かってるくせに……。私が呼び出した理由も、私の気持ちも……。」




ミナ先生は視線を斜め下に逸らす。




ほらね、そうやってまた逃げようとするんだ。




チェヨン「伝えるのもダメなの……?」




ミナ先生の行動は私の気持ちですらも否定して来る。




ミナ「今はまだどうしようも出来ないでしょ……?」




確かに今はどうしようも出来ない。
私が告白したところで先生と生徒である以上は
それ以上の関係にはなれないのだ。




チェヨン「なら4月からは?私は卒業してるし、ミナ先生だって先生やめるんでしょ?」



ミナ「……。」



チェヨン「それに……」




これは私の想像だけど多分合ってる。
だって先生は優しいから。




チェヨン「だから今日来てくれたんじゃないの?」




ミナ先生の顔色が少し変わったのが分かった。




私たちが
先生と生徒の関係じゃなくなるのであれば……。




チェヨン「だから先生……。」



ミナ「……。」




何も言わずに私の方を見てくれるミナ先生。




チェヨン「卒業式の後もここに来てほしい……です……絶対。」




振られるかもしれない。
私の気持ちに気づいていながら
いつも諦めさせるような行動ばかりされているから。




でも今日やっとこの教室に来てくれたってことは
ほんとちょっと期待してもいいのかな……?




チェヨン「待ってます。」




そう言ってミナ先生よりも先に303教室を後にした。




それから卒業式までミナ先生とは1回も話していない。




―――卒業式―――




ツウィ「チェヨン~!今からダヒョンとモモとカラオケ行くけどチェヨンも行くでしょ?」



チェヨン「うん、その前にちょっと用事あるから先言ってて!」



ツウィ「そう?じゃあ先行ってるよ!来る前連絡ちょうだい!」



チェヨン「うん、了解!」




卒業証書の丸筒を持ち
胸に花をつけたまま3人は教室を出て行った。




周りを見渡すと卒業式後の写真撮影会も
終盤にかかっているように見える。




私は今からが本番。




チェヨン「ふぅ……。」




と深呼吸を1回して303教室へ歩き出した。




ガラッ




チェヨン「……。」




ミナ先生はいない。




そのまま前私が座った席に座ってミナ先生を待つ。




携帯のフォルダに入っている今日の写真を見ながら。




ほんとに楽しかったな
ミナ先生がやって来た最後の1年間は特に。




このまま終わっちゃうのかな……。




そう考えると悲しくなって机に突っ伏していた。




チェヨン「……。」



ミナ「来ないって言ったやん。」



チェヨン「ミナ先生……。」




来てくれたことが嬉しくて一気に気が抜けてしまった。




この前はこのままミナ先生は鍵を確認し始めたんだ。




だけど今日はちょこんと横に座ってくれた。




ミナ「卒業おめでとう。」



チェヨン「あ、ありがとうございます……。」




私の方を見ず、横を向いたままそう言うミナ先生。




当たっても砕けても先生と生徒の関係は今日で最後。




勇気を出すなら今しかない。




チェヨン「先生……!」




ミナ先生の方を見る。
ミナ先生はまだ横を向いたままだった。




それでもいい。




チェヨン「私、先生とずっと一緒に……




教室の窓は開いていて、爽やか春の風を感じた。




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