第15話

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2026/01/23 11:57 更新















嵐が来るなんて、誰も思っていなかった

——少なくとも、ドアが開くその瞬間までは



🚪
カラン、と控えめなベルの音



自動ドアが開いて、外の光が一瞬だけ差し込む

店内の空気は変わらない

洋楽、ドライヤー、笑い声

誰も顔を上げない


……一人を除いて

夢主は、鏡越しに一瞬だけ入口を見る










(なまえ)
あなた
 は、? 







(なまえ)
あなた
 (……背、でか) 






立ち姿

歩き方

空気の取り方(?)




うん、

——なんか、知ってる





(なまえ)
あなた
 (なんか知ってる人) 





理由は説明できない


ただ、オタク特有の“嫌な勘”が静かに鳴った

受付スタッフが対応する









受付
 ご予約は……? 


 してないです 







声、


(なまえ)
あなた
 (……あ) 








あなたの下の名前の手が、一瞬止まる。

うなも、鏡越しに目を見開いた


うな
うな
 ……今の声……(小声) 



(なまえ)
あなた
 しー(即座に) 








でももう遅い

受付が予約表を見る。




受付
 あー……今、空いてるの…… 


受付
 珍しくあなたの下の名前さんなら……いけますけど 



店内が、ほんの一拍静かになる


(なまえ)
あなた
 (あ、詰んだ) 


うな
うな
 (え、まさか……) 











スタッフ数人が、ゆっくり夢主を見る

顔色一つ変えず、ハサミを置く






(なまえ)
あなた
 ….(まじですか) 
(なまえ)
あなた
 ……大丈夫ですよ 





受付
 ではこちらへどうぞ〜 


 あ、はい 







客が歩いてくる

距離が縮まる

椅子に座る
鏡越しに、目が合う





——完全に、気づいた




帽子の影から見える目

実写配信、ライブで何百回も見た目(?)



(なまえ)
あなた
 (……あっきぃだ) 







心の中で叫んだ瞬間、


あっきぃも、同時に察した顔をした


一瞬だけ、口元が動く




ak
 ….え、絶っっ対言わないでくださいよ 


(なまえ)
あなた
 ……仕事中ですので😊(超小声) 



どうやら、どちらとも

誰なのかを察したもようです





うな
うな
 ……え? 


(なまえ)
あなた
 本日はどうされますか? 


ak
 軽い感じで整えてください(ニコッ 





普通の会話

普通の美容院

なのに



FF客のスマホが、膝の上で震える

スタッフの一人が、奥で口を押さえる

別の席のお客さんが、ちらっと見る


——誰も確信はしてない


でも、
“何かが起きてる”ことだけは全員分かってる



(なまえ)
あなた
….わかりましたー 



シャンプーに案内する直前

あっきぃが、鏡越しに一言だけ


ak
 ……噂、本当だったわw 


(なまえ)
あなた
 ……何のですか? 

ak
 ライブ前、ここ来ると気持ち整うってやつ 






一瞬だけ、目が合う。

(なまえ)
あなた
 ……それは、よかったです(笑 

それ以上は、何も言わない。

でもFF客は、すでに限界だった


うな
うな
 ……今日……TL……荒れるね(震え声) 


(なまえ)
あなた
 はーい……静かにね









——平和は、まだ壊れていない。



ただ、

確実に“音を立てずにヒビが入った”









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