第15話

#15
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2026/02/22 15:54 更新
あの撮影から1ヶ月、ついに新作が公開され同時にモデル写真も公開された。


SNSでは、「待望の新作!」

「奇跡のご令嬢再来!」

「大人気ブランドを身にまとった国民的アイドル!」
と、たくさんの賞賛の声で溢れていた。
実際、あらから売上はかなり伸びていて、両親は大喜びしている。


しかし中には、批判の声もあって、それは主に唐突に出てきた無名の少女についてだった。


「正直そんなに可愛くなくない?」


「風磨くん好きなのにこの女いるから買う気失せる」


「待望のファッションブランド起用なのに、女と絡んでるのみたくない」


まぁ全部本当の事だけど、唯一許せなかったのは


「親バカで死ぬ…笑」


「あんなブランド作るのに子がこれって、親の顔が見たい。」


「正直両親あたおかだよね~」


父と母を馬鹿にされること。


自分が不甲斐ないばっかりに、申し訳ない気持ちで一杯だった。


それからは何度か撮影で菊池さんと一緒にお仕事をしたが、あのときのような不安や焦りは自然と感じなくなっていった。


慣れというのは怖い。


この日は久しぶりの撮影で、初めての和装だった。
これは「get your wish」と超高級和服専門店がコラボした商品で、テーマは


「時代を超えた和を生きる」

たくさんのマナーやルールがある和装をよりたくさんの人に楽しんでほしいというテーマで作られたもので、手に取りやすい扇子や和櫛から上等な浴衣、お着物まで様々だった。


このコラボは海外でも話題になり、発売情報が公開されてから数分で、大量の取り寄せができないかという電話が入った。


今回もニ着撮りで、一着目は淡い水色に白い帯を合わせたなんとも涼し気な浴衣だった。ただ着付けてもらうのではなく、上にはレースのつけ襟を重ねてまるでお姫様のような白いパンプスを履いた。

いつもはふわっと分ける前髪も、シースルーで下ろしに。そしてお団子でまとめてコラボの髪飾りをつけていただいた。

大きなパールのアクセサリーをつけて、顔にもパールのフェイスシールに貼ってもらった。


表情やポージングはあくまでも服が主役、控えめにかつ地味すぎない程度で。やっとわかってきた気がする。難なく一着目を終えることができた。


二着めはいつもどうりシックなモノトーン。
今回は黒地に大きな赤い花柄がついた振り袖だった。

しかしただの振り袖ではなくて着物の裾が異様に短くなっている。下は黒くマットなロングスカートを合わせてドレスと袴と振り袖を合わせたような不思議なデザインになっていた。しかもこれは着脱式でなんともミニ丈にもできるらしい。さすがは現代版和装、とんでもないことをする。足には革製のショートブーツを履いて締まった印象にした。


シルバーのアクセサリーをつけて髪の毛をストレートのポニーテールにして前髪を上げる。ゴムには真っ赤な結い紐を結んでもらい、同じ色のリップを塗った。


さっきとは真逆の2コーデ目。
やっぱりいろいろな自分を知るのは楽しい。

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