彩羽side
春高まで、あと残り2週間を切った日。
その日も 私は朝早くから
学校の体育館に 足を運んでいた
遠征先での手当て箱の準備とか
新幹線の時間とかも
監督達と話さなければならない。
…侑さんとは、どうするつもりなんだよ、私。
話さなきゃ って思っても
どうしても 余計な過去のトラウマを
思い出してしまう
1人意気込んで居たら
後方から物凄く大きな声で名前を呼ばれた
続いて とんでもないスピードで
声の主が私の元に 走りよってくる
何を、言われるんだろう
身構えて 侑さんの次の言葉を待つ
肩で荒く呼吸をしていた侑さんは
数回深呼吸したあと
真っ直ぐに私を見て静かに切り出した
やっぱり、無理もない。
ずっと好きなんて、そんなこと___
予想外の言葉に、うつむきかけた顔を
再び侑さんに向ける
今度はちゃんと、侑さんの目を
真っ直ぐに見つめながら頷いた。
侑さんが踏み出した、大きな一歩
私も ちゃんと踏み出さなければならない
兄ちゃんとの 再会の地
そして
侑さんとの 約束を果たす地
春の高校バレー 全国大会の地で
私たちの運命は
大きく 交わる












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。